台湾ASEがADIのマレーシア工場を買収 後工程強化へ:2026年上半期を予定
台湾ASE Technologyとアナログ・デバイセズは2025年10月21日(マレーシアおよび米国時間)、マレーシアのペナン州における戦略的な共同の取組みについて、拘束力のある覚書を交わしたことを発表。ASEがADIのマレーシア子会社およびペナン工場を買収することを明らかにした。
台湾ASE Technology(以下、ASE)とアナログ・デバイセズ(以下、ADI)は2025年10月21日(マレーシアおよび米国時間)、マレーシアのペナン州における戦略的な共同の取組みについて、拘束力のある覚書を交わしたことを発表した。
共同出資でペナン工場のスキル向上を計画
最終取引文書の締結を条件に、ASEはADIのマレーシア子会社の株式の100%と、子会社の所有するペナン工場を取得。ASEがペナンでの事業を引き継ぐと同時に、ADIに製造サービスを提供する長期供給契約を締結する意向だという。両社は2025年第4四半期に最終契約を締結し、2026年上半期に取引を完了する予定で、共同出資によりペナン工場のスキル向上を図る計画だとしている。
ADIのペナン工場は1994年に設立され、延べ床面積は約6万3000m2。同工場を取得することで、ASEのICパッケージング/テスト事業におけるグローバルネットワークはさらに拡大する見込みだ。
本発表に際し、ASEの最高執行責任者(COO)を務めるTien Wu氏は「本発表は、ADIとの連携強化を通じ、同社のアナログ、ミックスドシグナル、デジタル信号処理チップ向けにICパッケージングおよびテストソリューションを提供する、という取り組みを強化するものだ」と述べる。
ADIのグローバルオペレーション&テクノロジー担当エグゼクティブバイスプレジデントのVivek Jain氏は「組立技術とレジリエントな製造能力は、ADIの短期的、長期的な成長において重要な要素だ。ASEと協力し、ペナン工場の能力と生産力を拡大することで、ADIの技術提供とサプライ・チェーンのレジリエンスが強化され、顧客に最高水準のサポートを提供し続けることができる」としている。
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