NVIDIAやCerebrasをはるかに上回るトークン性能、欧州新興のAIチップ:運用コストも最小限に抑える(3/3 ページ)
欧州のAIチップの新興企業であるEuclydは、トークン当たりのコストを低く抑えられるハードウェアアーキテクチャを披露した。同社のチップ「Craftwerk」は、16384個のSIMDプロセッサを搭載し、最大8PFLOPS(FP16)または32PFLOPS(FP4)を実現する。NVIDIAやCerebras Systemsをはるかに上回る、2万トークン/秒を実行できるとする。
資金調達も順調
Euclydにはこれまでに3人の個人投資家が出資している。ASMLの元CEO、Peter Wennink氏と、マイクロプロセッサの発明者でZilogおよびSynapticsの創設者であるFederico Faggin氏、Elasticの創設者Steven Schuurman氏だ。Euclydは近々、製品化と事業拡大に向けて、ベンチャーキャピタルが支援する資金調達ラウンドを開始する予定だが、Held氏は「シード資金はシリコンの動作実証には十分だろう」とみている。
Euclydの創設者でアドバイザーを務める Atul Sinha氏は米国EE Timesに対し「当社は欧州に拠点を置いているが、多くの投資家の関心を集めている」と語った。
Sinha氏は「欧州で話をした人は皆、『まさにこれを待っていた』と言っていた。これは当社の見解だが、欧州は『これを実現しよう!』と声を上げる誰かを待っていたようだ。シリコンバレーの投資家でさえ、特定のフットプリントと電力消費量で実際に性能を飛躍的に向上させることができるソリューションを待っていた。これが世界の問題であることを知っているからだ」と語った。
Sinha氏は「チップ設計の人材に関しては、Euclydはシリコンバレーよりも欧州で有利な立場にある」と述べ、同社が今後もオランダに拠点を置き、NXP Semiconductorsの本拠地でもあるオランダのアイントホーフェンにあるハイテクキャンパスに拠点を置く計画であることを認めた。
「欧州には技術と人材基盤が集中している地域があることは、あまり知られていないように思う。半導体に関しては、アイントホーフェンは間違いなくトップクラスだ」とSinha氏は述べている。「これ以上の場所はないと断言できる」と同氏は付け加えた。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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