LPDDRが足りない AIブームで価格高騰:2026年のメモリ価格は最大20%上昇か(2/2 ページ)
Counterpoint Researchによると、AIの拡大により、2026年のメモリ価格は最大で20%上昇する可能性があるという。中でも不足しているのがLPDDR4だ。
HBMで独走するSK hynixの動き
HBMサプライヤーであるSK hynixは、2025年10月の最新決算で「DRAMとNANDの価格高騰とAIサーバ向けHBM製品の出荷増により、四半期業績が過去最高となった」と報告した。
SK hynixは2025年、HBMの売上が好調だったことを受け、一時的にSamsungを抜いて世界最大のメモリメーカーとなった。同社は2025年10月の決算発表で「AI市場が推論主導のワークロードへ急速に移行する中、AIサーバの計算負荷を汎用サーバなどのより広範なインフラに分散させることへの関心が高まっている。こうした動向によって、高性能DDR5やeSSDを含むメモリポートフォリオ全体の需要がさらに拡大すると予想される」と述べている。
SK hynixは、現在生産中の最先端1c DRAMプロセスである10nm世代プロセスへの移行を加速させる計画だ。同社によると、より微細なノードへの移行により、サーバ、モバイル、グラフィックスアプリケーションにわたる「完全な」DRAMラインアップを確立できるようになるという。
SK hynixの主力製品であるHBM4は、2025年第4四半期に出荷が始まる予定だ。AIメモリの需要が急増する中、同社は2026年のDRAMとNAND型フラッシュメモリの生産について「顧客の需要を十分に確保した」と述べた。
広がる痛手
Counterpointによると、メモリ価格の高騰はまずスマートフォンメーカーに影響を与えているが、エレクトロニクス業界の他の企業もリスクにさらされている。
CounterpointのシニアアナリストであるIvan Lam氏はレポートで「痛手は、スマートフォンと家電のエコシステムに広がる可能性がある」と述べている。「スマートフォンの出荷台数が大幅に増加(一部のモデルでは25%以上)し、主要なハイエンド/ミドルレンジのセグメントで利益率が低下したり、成長に影響を与えたりする可能性がある」
業界は生産能力の制約と価格の高騰に直面しており、サプライヤーとメーカーの両方にとって「痛みを伴う」トレードオフを余儀なくされるとレポートは結論付けている。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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