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LLMの1ビット量子化、エッジ対応「MONAKA-X」も 富士通の最新戦略:「AI分野で最も強いCPUを目指す」(3/3 ページ)
富士通は2025年12月2日、技術戦略説明会「Fujitsu Technology Update」を開催。生成AI関連の新技術や次世代CPU「FUJITSU-MONAKA」のロードマップについて説明した。
「FUJITSU-MONAKA-X」はエッジ対応 29年リリースへ
次世代汎用CPUであるFUJITSU-MONAKAの開発も進んでいる。自社設計のマイクロアーキテクチャや低電圧技術などの独自技術によって高性能と省電力を実現する。
後継となる「FUJITSU-MONAKA-X」は1.4nmプロセスを採用し、消費電力をさらに抑えてエッジコンピューティングにも対応を目指す。FUJITSU-MONAKA-Xは、CPUのみのものを2029年下期に、CPUとNPU(Neural Processing Unit)を組み合わせたものを2030年下期にリリース予定だ。
なお、FUJITSU-MONAKAの製造はTSMCに委託するが、FUJITSU-MONAKA-Xの製造はRapidusへの委託を検討しているという。
マハジャン氏はFujitsu-MONAKA-Xについて「メイドインジャパンで『AIの世界で最も強いCPU』を目指す」とした。
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