100k〜250GHzを1回で測定 キーサイトの高帯域VNA向けエクステンダー:先端機器の製造で活躍
キーサイト・テクノロジーは「マイクロウェーブ展 2025」に出展し、同社の広帯域ベクトルネットワークアナライザー(VNA)「PNA」「PNA-X」向け周波数エクステンダー「NA5305A」「NA5307A」を展示した。100kHzから最大250GHzまで測定可能で、より高く、広い帯域の測定が求められる先端機器の現場で活躍する。
キーサイト・テクノロジーは「マイクロウェーブ展 2025」(2025年11月26〜28日、パシフィコ横浜)に出展し、同社の広帯域ベクトルネットワークアナライザー(VNA)「PNA」「PNA-X」向け周波数エクステンダー「NA5305A」「NA5307A」を展示した。
100kHzから最大250GHzまで1回で測定可能
キーサイトのPNAおよびPNA-Xは、最大120GHzまでの測定に対応していたが、近年のAIデータセンター向け機器や光電融合デバイス、ミリ波、サブテラヘルツ帯無線機器などの先端機器の製造現場では、より高い帯域の測定が求められる。
そのニーズに応えるのが今回の展示品で、NA5305Aを接続すれば170GHz、NA5307Aを接続すれば250GHzまで測定帯域を拡張できる。詳細は明かせないものの「内部基板の進化と、業界初の0.5mm同軸アダプターによって高帯域対応を実現した」(キーサイト担当者)という。
100kHzから170/250GHzまで1回で測定できることも特長だ。「市場には他社製の高帯域対応エクステンダーも存在するが、基本的には対応周波数がそこまで広くなく、広帯域を測定するには機器を変えながら、何度かに分けて行う必要があった。NA5305A、NA5307Aなら広帯域を1回で測定できるため、時間や手間を大幅に削減できる」(キーサイト担当者)
米国で9月に発表されたばかりの製品で、日本では今回が初展示だ。すでに日本での受注も始まっていて、「製品を見に来る人も多く、引き合いの強さを感じている」(キーサイト担当者)という。専用のコントローラーと、メカニカル校正キットも同時に提供される。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
EMC試験をとことんラクに、1GHz幅で一気に掃引するEMIレシーバー
キーサイト・テクノロジーは「TECHNO-FRONTIER 2025」で、EMIレシーバー「N9048B PXE」の機能を拡張したモデルを展示した。タイムドメインスキャン機能の帯域幅を1GHzまで拡張したことで、30M〜1000MHzまでの測定がわずか1ステップで測定でき、EMI測定時間を従来の3分の1に短縮できる。【訂正あり】
キーサイトがAIデータセンター向け製品群「KAI」の展開を本格化
キーサイト・テクノロジーはAIデータセンター向けソリューション群「KAI(Keysight Artificial Intelligence:カイ)」の新製品を発表した。AIワークロードをエミュレートし、ネットワークの最適化を図れる試験システムや、1.6Tイーサネットに対応できるネットワークテスターなどが含まれる。
半導体製造用ワイヤボンディング検査装置を発表
キーサイト・テクノロジーは、半導体製造向けワイヤボンディング検査ソリューション「Electrical Structural Tester(EST)」を発表した。半導体製造工程でワイヤボンディングの不良を迅速に特定することで、生産性の向上や歩留まりの改善が可能となる。
キーサイト新社長は開発部門生え抜きの寺澤氏 「日本の顧客支えたい」
キーサイト・テクノロジーの新社長に開発部門出身の寺澤紳司氏が就任した。開発部門出身者が同社の社長に就くのは初めて。就任記者会見ではAI(人工知能)戦略や半導体向けソリューションの展望を語った。
埋もれていた微小信号が見える 14ビットADC搭載汎用オシロ
キーサイト・テクノロジーが、帯域幅200M〜1GHzの汎用オシロスコープの新製品「InfiniiVision HD3シリーズ」を発表した。14ビットA-Dコンバーター(ADC)を搭載し、低いノイズフロアを実現したことで、これまで見えなかった微小信号を特定できるようになる。


