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コラム

米政府が「H200」の対中輸出容認、NVIDIAはチャンスを生かせるか二転三転する政策(3/3 ページ)

米政府がNVIDIAのAIプロセッサ「H200」の対中輸出を容認する方針を表明した。一方で中国では、先端半導体も含めて自給自足しようとする動きが継続している。地政学的な“綱引き”が続く中、NVIDIAは中国市場というチャンスを生かせるのか。

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地政学的な“綱引き”

 H200をめぐる争いは、テクノロジーにおける世界の分断を浮き彫りにしている。米国が輸出規制と関税を通じて影響力を維持しようとする一方で、中国は「シリコン主権(Silicon Sovereignty)」の活動を加速している。

 米国の対中輸出規制は、実際には中国のイノベーションを後押ししている。HuaweiやBaiduといった中国の半導体メーカーは、中国のAI産業においてバックアップ的な役割から「中核的な存在」へと変わりつつある。現在では、中国国内のクラウドコンピューティングチップ市場において70%以上を占めるほどだ。H200は大規模学習においては依然として優れているものの、アナリストたちはその性能ギャップは縮まっていると指摘している。

 今のところ、NVIDIAはまだ主導権を握っている。CESの講演でHuang氏は政治的な話は避け、需要と供給に焦点を当てた。「われわれは発注書を通じて全てを把握している」と同氏は述べた。「発注書が届くのは、彼ら(中国の顧客)が発注できるからだ」

 現状は、規制をめぐる綱引きの様相を呈している。米国は歳入を徴収するために規制を緩める一方で、軍事分野への販売を阻止しようとする。中国は、将来的に米国製チップに依存しなくて済むよう、独自の技術開発に邁進(まいしん)している。

 H200の動向は、世界的な技術的デカップリングの方向性を示すことになるだろう。NVIDIAは多くの注文を受けているものの、政策が頻繁に変更されているため、状況は依然として不安定だ。

※編集者注:なお、日経新聞は2026年1月15日、「ロイター通信が14日、中国の税関当局が職員に対し、米エヌビディアの人工知能(AI)半導体「H200」の輸入を許可しないと通達した」と報じた

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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