TSMCが設備投資増額へ、26年は最大560億米ドル:7〜8割は先端プロセスに(2/2 ページ)
TSMCの2025年第4四半期(10〜12月)業績は、売上高が1兆460億9000万ニュー台湾ドル(337億3000万米ドル)で、前年同期比20.5%増、前四半期比5.7%増。純利益は5057億4000万ニュー台湾ドル(160億1000万米ドル)で、前年同期比35.0%増、前四半期比11.8%増だった。同社はまた、2026年、520億〜560億米ドルを設備投資に充てる計画も明かした。
熊本第2工場「量産開始は需要次第」
Wei氏はまた、「複数年にわたるAIメガトレンドに対する確信は揺るぎがない」とし、「ファウンドリーとして、当社の第一の責任は、最先端技術と必要な生産能力で顧客を全面的に支援し、そのイノベーションを解き放つことだ」と強調。米国アリゾナ第2工場について、2026年中に装置を搬入し、当初の計画より早い2027年下期には量産を開始する予定だと明らかにした。なお、第3工場についても建設は既に開始していて、第4工場と先端パッケージング施設については建設許可の申請を進めているという。
日本の熊本工場については「第1工場が2024年末に量産を開始し、非常に良好な歩留まりを達成している。第2工場の建設も既に開始されていて、技術導入と量産スケジュールは顧客のニーズと市況に基づいて決定される」と説明。欧州についても「ドイツ・ドレスデンの特殊工場の建設は計画通りに進んでいる。生産開始時期は顧客のニーズと市況に基づいて決定される」とした。
2nmプロセス、「2026年に急速な増産を見込む」
TSMCは2025年第4四半期に2nmプロセス(N2)を量産開始したことを明かしている。今回の決算説明会では、N2およびA16プロセスの進捗についても説明した。
N2については「2025年第4四半期に量産化に成功した。新竹と高雄の両拠点で良好な歩留まりを維持している。スマートフォンやHPC、AIアプリケーションからの強い需要を実感していて、2026年には急速な増産を見込んでいる。継続的な強化戦略の一環として、N2ファミリーの拡張版であるN2Pも開発している。N2PはN2をさらに上回る性能と電力効率を実現し、量産は2026下半期を予定している」と語った。さらに「われわれは、業界最高水準のスーパーパワーレール(SPR)を搭載したA16も発表した。A16は複雑な信号経路と高密度電力供給ネットワークを必要とする特定のHPC製品に最適だ。量産は2026年下半期に予定通り開始される」と述べた。
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