高効率と高信頼性を両立したSiC SBD、トレックス:チップサイズ小型化で低価格に
トレックス・セミコンダクターは2026年1月20日、炭化ケイ素(SiC)を採用した650Vショットキーバリアダイオード(SBD)「XBSC41/XBSC42/XBSC43シリーズ」を発表した。性能指数(FOM)を抑えつつ高いサージ電流耐量(IFSM)を両立したという。
チップ小型化で低価格化 ラインアップも充実
トレックス・セミコンダクター(以下、トレックス)は2026年1月20日、炭化ケイ素(SiC)を採用した650Vショットキーバリアダイオード(SBD)「XBSC41/XBSC42/XBSC43シリーズ」を発表した。すでに量産を開始していて、参考価格は474円(税込)だ。
トレックスでは、子会社フェニテックセミコンダクターが設計および製造を手掛けるSiC SBD製品を展開していて、2023年に第1弾製品「XBSC11A108CS」を発売した。同製品のフィードバックを生かして開発したのが、XBSC41/XBSC42/XBSC43シリーズだ。
チップサイズを小さくしたことで歩留まりが向上し、前製品(サンプル価格:税込800円)から低価格化を実現したという。使い勝手が良いという650V耐圧にしたほか、6/8/10Aと電流ごとに3タイプをそろえた。パッケージも非絶縁タイプの「TO-220AC」と絶縁タイプの「TO-220FM-2」の2種類を用意する。
低FOMと高IFSMを両立
順方向電圧(VF)を1.35Vに抑えつつ、総電荷量(Qc)も18nCに抑制。「性能指数(FOM)が24.3と小さく、高効率な動作を可能にした」(トレックス担当者)という。加えて「サージ順電流(IFSM)耐量を大幅に向上し、業界トップクラスの最大92Aを実現した」(同)とする。
「高効率と高信頼性の両立によって、SiCならではの高速スイッチング特性と低損失性能を持ちつつ、スタートアップ時や突入電流発生時にも余裕を持った設計を可能にする。保護用バイパスダイオードが不要になるため、部品削減によるコストダウン、省スペース可も可能だ」(トレックス担当者)
製品はスイッチング電源や白物家電、太陽光発電用パワーコンディショナー、インバーターなど、信頼性が重視される分野で幅広く使用できるとする。トレックスの担当者は「XBSC11A108CSは第1弾ということで手探りの部分もあったが、そこで得たフィードバックなどをもとに、今後SiC SBD製品をより本格的に展開していきたい」と語った。
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