貼り合わせSiC基板、安定供給進み今や一大トレンドに:SiCイメージセンサー試作品も
フェニテックセミコンダクターは「第40回 ネプコン ジャパン -エレクトロニクス 開発・実装展-」に出展し、同社が使用する貼り合わせSiC基板「SiCkrest(サイクレスト)」などを紹介した。
単結晶より高特性、貼り合わせSiC基板に注目集まる
フェニテックセミコンダクター(以下、フェニテック)は「第40回 ネプコン ジャパン -エレクトロニクス 開発・実装展-」(2026年1月21〜23日、東京ビッグサイト)に出展し、同社が製造する炭化ケイ素(SiC)半導体製品などを紹介した。
フェニテックでは、住友金属鉱山の子会社であるサイコックスが製造する貼り合わせSiC基板「SiCkrest(サイクレスト)」を使用し、研究開発を行う。SiCkrestは、低抵抗多結晶SiCの支持基板の上に高品質な単結晶を薄く貼り合わせた構造で、SiC単結晶の特性を維持しつつ、基板全体の低抵抗化と高強度化を実現しているという。
フェニテックの担当者によると、2024年ごろから貼り合わせSiC基板の注目度が高まってきているそうだ。「以前はサイコックスのみが貼り合わせSiC基板を製造していたため、供給面でリスクがあり、安定供給されるSiCが選ばれていた。しかし2024年ごろにフランスのSoitecが製造を始めたことで、供給体制が安定し、特性の高さから注目を集めている」という。
「2024年にSiCの国際学会に参加したときは、貼り合わせSiC基板だけで横断セッションが組まれていた。まさにトレンドといえるような状態だ。特に欧州の注力ぶりが強く、さまざまな共同企業体と連携して、基板製造からプロセス、ディスクリート、実用まで幅広く網羅した発表を多く行っていた」(フェニテック担当者)
SiCイメージセンサー試作品も展示
またブースでは、広島大学との合同研究チームで試作した、SiCイメージセンサーの試作品を展示していた。こちらは研究段階で実用化はまだ先だが、SiCはシリコン(Si)よりもバンドギャップが広く、高い放射線耐性を有することから、宇宙開発や福島第一原発の廃炉作業ロボットなどでの活用が期待できるという。
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