SAIMEMORYの新構造メモリ 低消費電力に焦点:性能と熱のトレードオフを突破
Intelの日本法人であるインテルは2026年2月3日、最新AI PCを紹介するイベント「Intel Connection Japan 2026」を開催した。基調講演では、同日に発表されたSAIMEMORYが開発する次世代メモリ技術「ZAM」での協業についても紹介した。【訂正あり】
Intelの日本法人であるインテルは2026年2月3日、最新AI PCを紹介するイベント「Intel Connection Japan 2026」を開催した。基調講演「インテルCore Ultraシリーズ3プロセッサが切り拓く、AI PCとエッジAIの新たな未来」の中では、同日に発表されたSAIMEMORYとの協業についても紹介した。
SAIMEMORYは、次世代メモリ技術の実用化に向け、2024年12月にソフトバンクが設立した子会社だ。両社は高容量/広帯域/低消費電力の次世代メモリ技術「ZAM」(Z-Angle Memory:ザム)の実用化に向けて協業契約を締結し、2027年度中のプロトタイプ作製、2029年度中の実用化を目指すとしている。
縦に積み上げて熱を逃がす「世界初」構造メモリ
登壇したSAIMEMORYの代表取締役社長兼CEOである山口秀哉氏は「SAIMEMORYではAIメモリを再定義すべく、特に性能と熱のトレードオフを突破したいと考えている。一般的にメモリは高容量や広帯域が優先されやすいが、当社のメモリは低消費電力を最優先にするのが特長だ」と語る。
性能と低温を両立すべく、設計したのがZAMだ。Z軸、すなわち縦方向に積み上げる構造のメモリで「簡単に言えば、縦型にすることで熱が上に逃げていくイメージ。世界初の構造だ」(山口氏)という。
【訂正】「世界初の構造で、現時点で16層ほど積み上げられている」を「世界初の構造だ」と修正しました。「現時点で16層ほど積み上げられている」の部分はZAMではなく広帯域メモリ(HBM)に言及したと推測されます。お詫びして訂正致します。[編集部/2026年2月4日 午後19時10分]
「SAIMEMORYではエンドツーエンドでの実行や、リサーチからマーケット提供まで、一気通貫のソリューションを提供できる。今回、Intelとの協業を発表したが、ほかにも生産や開発、サプライチェーンまで、さまざまなパートナーを国内外に有している。今後少しずつ発表する予定なので楽しみにしてほしい」(山口氏)
ZAMの開発においては、Intelが米国エネルギー省の支援を受けて推進している「Advanced Memory Technology(AMT)プログラム」で確立された次世代メモリの基盤技術や、「Next Generation DRAM Bonding(NGDB)イニシアチブ」で実証された技術的知見なども活用される。
登壇したIntelのシニアエンジニアであるJoshua Fryman氏は「2016年ごろ、通常のDRAMでは求める要件を満たしていなかったが、ベンダー側は自社アーキテクチャの修正に興味がなかった。そこでIntelはメモリ研究をはじめ、米国エネルギー省との連携の末、AMTプログラムで次世代メモリの基盤技術を確立した。ソフトバンク、SAIMEMORYと協力して、IntelのDRAM研究技術を製品化できることを本当にうれしく思っている」と語った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
Intel、25年Q4は売上高4%減 26年は18A供給拡大に意欲
Intelは2026年1月22日(米国時間)、2025年第4四半期および通期の業績を発表した。第4四半期の売上高は137億米ドルで前年同期比4%減、通期の売上高は529億米ドルで前年比2億米ドル減になった。
Intel、初の18Aプロセス採用「Core Ultraシリーズ3」を正式発表
Intelは2026年1月5日(米国時間)、「CES 2026」においてIntel 18Aプロセス技術を初採用した「Intel Core Ultraシリーズ3プロセッサ」を正式発表した。
「旗艦CPUを自社製造に戻せる」 Intelが18Aプロセスの順調さを強調
インテルは2025年10月30日、プレスセミナーを開催し、Intel 18Aプロセス技術を採用したクライアント向けSoC「Panther Lake」の紹介やロードマップの解説などを行った。
Intel、SambaNova買収へ交渉中か AI推論分野での追い上げ目指す
Intelは現在、AIロードマップの再構築を進める中で、カリフォルニア州パロアルトに拠点を置くAIプロセッサスタートアップのSambaNovaに対して買収交渉を行っているという。カスタムAIチップメーカーであるSambaNovaは、資金調達ラウンドを完了するのに苦戦したことから、売却先の可能性を模索していた。
NVIDIAとIntelがAIスーパーチップを共同開発へ、両CEOが語った狙い
NVIDIAが2025年9月18日(米国時間)、Intelに50億米ドルを出資し、NVIDIAのNVLinkを使って両社のアーキテクチャを接続したスーパーチップを共同開発すると発表したことから、業界はそのニュースでもちきりとなった。こうした動きにより両社は、データセンターとPCの両分野において、次世代AIコンピューティングを支配していきたい考えのようだ。


