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200GHz動作の受光素子、NTTが開発 次世代光通信の基盤に:実用レベルの高信頼性を両立(2/2 ページ)
NTTは、200GHz級の動作速度と実用レベルの高信頼性を両立した次世代光通信向けの受光素子を発表した。今後データセンター内で必要になるとされる3.2テラビット/秒級の光通信実現の基盤となる成果だ。
実用化を見据え、製造効率化に向けた設計も
この結果、NTTは受光素子の感度と長期信頼性を保ったままでの高速化に成功した。動作速度は200GHzを上回り、NTTの従来技術から約3倍高速になった。NTTは「既存技術で最高速度級の伝送デモ実験に成功した」としている。また、光通信波長帯(1310nm)において、「世界最高の高速・高感度性能」(NTT)を達成した。加えて、推定耐久年数は50年超と、実用レベルの長期信頼性も実証した。
さらに、受光素子の小型化に当たっては、素子内の光電変換領域と信号光の照射位置を合わせる必要があるが、NTTは受光素子裏面に半導体凸レンズを作りこみ、光の位置ずれトレランスを2倍以上改善した。これによって、トランシーバー組み立て段階で位置ずれを抑えるための調整が容易になり、製造を効率化/低コスト化できる。NTTは「今回の発表は、単に性能を上げただけでなく、実用化を見据えて設計した点が重要だ」とコメントした。
なお、同成果は、光通信分野における世界最大かつ最難関とされる国際会議「Optical Fiber Communication Conference and Exhibition(OFC) 2026」にて、トップスコア論文に選ばれた。
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