NASAがアルテミス2にルネサスの耐放射線IC採用:有人月探査ミッションを支える
NASA(アメリカ航空宇宙局)の有人月探査ミッション「アルテミス2(Artemis II)」計画で中核システムとなる宇宙船「オリオン」や大型ロケット「SLS(スペース・ローンチ・システム)」に、ルネサスが提供する「インターシル」ブランドの耐放射線ICが採用された。
ミッションクリティカルな用途で「インターシル」ブランドが貢献
ルネサス エレクトロニクスは2026年4月、NASA(アメリカ航空宇宙局)の有人月探査ミッション「アルテミス2(Artemis II)」計画で中核システムとなる宇宙船「オリオン」や大型ロケット「SLS(スペース・ローンチ・システム)」に、ルネサスが提供する「インターシル」ブランドの耐放射線ICが採用されたと発表した。
4人の宇宙飛行士が乗ったオリオンが、現地時間2026年4月1日に米国フロリダ州ケネディ宇宙センターから打ち上げられ、月周回軌道へ向かっている。このアルテミス2ミッションでは、宇宙船の重要な機能を検証する。さらに将来の有人飛行や月面着陸に向けて、オリオンに求められる性能や機能を確認することになっている。
このミッションで用いられる宇宙船や大型ロケットには、インターシルブランドの耐放射線ICが、複数のサブシステムに搭載されているという。具体的にはデータ通信や電源供給、電源管理、一般的な保護回路、地球からの追跡や監視、制御(TT&C)といった、ミッションクリティカルな用途で用いられるサブシステムをサポートしている。
ルネサスが供給する航空宇宙向け「インターシル」ブランドのデバイスは、1950年に「Radiation」が設立されて以来、ほぼすべての衛星やシャトル打ち上げ、深宇宙探査ミッションなどに採用されてきた実績がある。
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