28nmプロセス採用「RH850」のローエンド品、ルネサス:次世代E/Eアーキテクチャに対応
ルネサス エレクトロニクスは、28nmプロセスを採用し、最大8Mバイトのフラッシュメモリを内蔵した車載用32ビットマイコン「RH850/U2C」を発売した。RH850マイコンファミリーのローエンド製品という位置付けで、最新のE/E(電気/電子)アーキテクチャに対応したECUなどの用途に向ける。
ボディー制御やシャシー、セーフティ用途向け
ルネサス エレクトロニクスは2026年3月、28nmプロセスを採用し、最大8Mバイトのフラッシュメモリを内蔵した車載用32ビットマイコン「RH850/U2C」を発売した。RH850マイコンファミリーのローエンド製品という位置付けで、最新のE/E(電気/電子)アーキテクチャに対応したECUなどの用途に向ける。
RH850/U2Cは、最大320MHzで動作するRH850 G4KHコアを最大4コア(うち2コアはロックステップ対応)搭載。メモリは最大8Mバイトのフラッシュメモリと最大1.5MバイトのRAMを内蔵した。
また、最新のE/Eアークテクチャに対応する通信インタフェースをサポートした。 イーサネット10BASE-T1Sや、1Gビット/秒と100Mビット/秒を含む2つのイーサネットTSN、CAN-XL、I3Cなどである。CAN-FDやLIN、UARTといったインタフェースもサポートし、既存ECUとの混在運用や新製品への段階的な移行が可能である。
RH850/U2Cは、高い安全性とセキュリティも実現している。機能安全規格「ISO26262」において、リスクが最も高い場合に適用されるランク「ASIL-D」までサポートする。サイバーセキュリティ対策としては、最新規格である「ISO/SAE 21434」に準拠した。暗号アルゴリズムは、PQC(耐量子計算機暗号)および、SM3/SM4を含む中国暗号方式をサポートしている。しかも、暗号処理専用のハードウェアアクセラレーターにより、高速処理とCPUの負荷軽減を実現した。
RH850/U2Cは、専用のスタンバイモードを備えるなど、動作時や待機時の電力消費を抑えた。用途としては、シャシーやセーフティシステム、バッテリーマネジメントシステム(BMS)、ボディーシステム、モーター制御などを視野に入れている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
ルネサス「R-Car V4H」、トヨタ新型「RAV4」に採用
ルネサス エレクトロニクスのADAS向け車載SoC「R-Car V4H」がトヨタの新型「RAV4」に採用された。カメラ、レーダーなどのセンサー処理やドライバーモニターなど、主要ADAS機能の信号処理をR-Car V4Hが実行し、安全性能の高度化を実現しているという。
「業界最高」のメモリ密度 ルネサスの車載SoC向け3nm TCAM技術
ルネサス エレクトロニクス、3nm FinFETプロセスを用いたコンフィギュラブルなTCAM(Ternary Content Addressable Memory)技術を発表した。TCAMの高密度化と低消費電力化、機能安全の強化に貢献し、車載SoC(System on Chip)にも適用できる。ルネサスはこの成果を「International Solid-State Circuits Conference(ISSCC) 2026」で発表した。
3nm車載SoC「R-Car X5H」用の新技術発表、ルネサス
ルネサス エレクトロニクスは、車載向けSoCにおいて高いAI処理性能を実現しつつ、チップレット構成でも機能安全規格に対応できる技術を開発した。これらの技術は3nmプロセス採用の車載マルチドメインECU用SoC「R-Car X5H」のために開発したものだ。同社はR-Car X5Hを、SDV(Software Defined Vehicle)時代に対応する車載用SoCとして提案していく。
ルネサスがGFと協業、米国での半導体製造を加速
ルネサス エレクトロニクスは、米国における半導体製造を加速させるため、GlobalFoundries(GF)と数十億米ドル規模の製造パートナーシップを結び、戦略的協業を拡大する。
ルネサスがGaN事業拡大、米国EPCとライセンス契約
ルネサス エレクトロニクスが窒化ガリウム(GaN)パワーデバイス事業を強化する。同社は米国のGaN専業メーカーEPCと包括的なライセンス契約を締結。EPCの低耐圧GaN技術にアクセス可能となり、「AI向け電源アーキテクチャなど高ボリューム市場での機会を拡大する」としている。
ルネサスが第5世代「R-Car」 向け開発プラットフォームを拡充
ルネサス エレクトロニクスは、第5世代となるR-Car SoC向け開発プラットフォーム「R-Car Open Access(RoX)」の機能を拡充した。マルチドメイン対応の車載用SoC「R-Car X5H」の評価ボードとソフトウェア群「RoX Whitebox」を新たに用意し、提供を始めた。

