300mVでエッジAIが動く、12nm FinFET採用SoC Ambiq:embedded world 2026(2/2 ページ)
Ambiqは、12nm FinFETプロセスを初採用した、NPU搭載の次世代SoCの開発を進めている。300mVという極めて低い電圧での動作でのAI推論を可能とするもので、最初の製品は2027年に生産を開始する予定だという。今回、同社のアーキテクチャおよびプロダクトプランニング担当ヴァイスプレジデントであるDan Cermak氏に概要を聞いた。
Arm Ethos-U85 NPUを統合、「低電圧動作とAI性能を両立」
Atomiqは、メインのアプリケーションプロセッサはApollo 5同様、Arm Cortex-M55を採用する。そのうえでAI処理を前提に設計しているAtomiqでは、Armの「Ethos-U85」NPUを統合した。これによって200GOPSを超えるオンデバイスAI性能を実現するとしている。またパッケージ内DRAMを採用することで、帯域幅と消費電力の課題に対応する。
Ethos-U85は多数のMAC(積和演算)を並列実行する構造から低クロックでも高い演算性能を確保でき、「100MHzという低クロック速度で毎秒数百億回の演算処理を実現する」という。Atomiqは、こうしたアプローチによって、低電圧動作とAI性能の両立を図っている。
Atomiqがターゲットとする用途は幅広い。まずはウェアラブル分野での立ち上がりが見込まれる。Cermak氏は「スマートグラスなどは、常時音声を処理し、自然言語処理を行う必要がある。低消費電力動作によって常時オンのAI処理ができるAtomiqは、そうした用途に最適だ」などと語った。また画像処理も搭載する予定で、セキュリティカメラやロボティクスなども対象になるとしている。
Atomiqの最初の製品となる「Atomiq110」は2027年に生産開始予定だという。同社は「AIシステムにおける電力効率という残された課題の1つであるメモリの効率性に対処する追加のイノベーションとして、今後数カ月以内にさらなるイノベーションを発表する予定だ」などとしている。
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