SiCデバイスの潜在欠陥、ウエハーレベルで可視化へ:TEDとアイテスが協業
東京エレクトロン デバイス(TED)とアイテスは、SiCデバイスの潜在欠陥をウエハーレベルで可視化する検査ソリューション分野で協業する。UVレーザー技術を用いた新製品「SiC潜在欠陥検査装置/通電劣化シミュレーターITS-SCX100」の開発などを行っていく。
材料・プロセス評価の時間短縮や試作コストの削減を支援
東京エレクトロン デバイス(TED)は2026年4月、炭化ケイ素(SiC)デバイスの潜在欠陥をウエハーレベルで可視化する検査ソリューション分野で、アイテスとの協業を発表した。UVレーザー技術を用いた新製品「SiC潜在欠陥検査装置/通電劣化シミュレーターITS-SCX100」の開発などを行っていく。
SiCデバイスは、自動車や産業機器、再生可能エネルギーなどの分野で採用が進む。こうした中で、SiC特有の結晶欠陥(BPD)に起因する通電劣化が信頼性という点で課題となっている。ところが、従来の検査手法だと、潜在欠陥を検出するのが難しく、問題を解決するには数カ月単位の時間を要していたという。
そこで両社は、UVレーザー照射により通電劣化を再現し、SiCウエハー内の潜在BPDを拡張、可視化するSiC潜在欠陥検査装置/通電劣化シミュレーターITS-SCX100を開発する。2026年9月にも受注を始める予定だ。
これにより、欠陥分布をウエハー全面で把握できる。材料ロットやプロセス条件による欠陥分布の違いも、ウエハーレベルで検証することが可能となる。これらの結果に基づき、材料の選定やプロセス条件を最適化すれば、開発サイクルの短縮や試作コストの削減につながるという。
さらに両社は、材料メーカーやデバイスメーカーに向けた評価サービスおよびソリューション提供、潜在欠陥データと電気特性/信頼性試験結果を組み合わせた評価や解析支援なども行っていく予定である。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
TELが掲げる「半導体製造のDX」 最大の課題は何か
東京エレクトロンデバイス(以下、TED)は2025年12月、製造業向けの技術カンファレンス「TED TECH MEET 2025」を開催した。基調講演では、AIを活用して半導体製造装置やフィールドの生産性を向上する新コンセプト「Epsira(イプシラ)」について紹介した。
次世代半導体材料をウエハー規模に成膜、NIMSら
物質・材料研究機構(NIMS)や東京大学らの研究グループは、MOCVD(有機金属化学気相成長)法を用い、高品質な単層膜厚の「二硫化モリブデン(MoS2)」を、ウエハースケールでエピタキシャル成長させる技術を開発、その成膜メカニズムを解明した。試作したトランジスタの電子移動度を測定したところ、室温で66cm2/Vs、20Kで749cm2/Vsを達成した。
製造業で需要高まるエッジAI、TED注目の企業と最新動向
東京エレクトロンデバイス(以下、TED)は2025年12月19日、製造業向けの技術カンファレンス「TED TECH MEET 2025」を開催。エッジAI関連のセッション「進化するエッジAI技術と注目半導体メーカーの最新動向」では、Intel、NXP Semiconductors、Qualcommの2026年のエッジAI領域における動向や戦略を解説した。
新たなプロセス開発でエッチング速度を5倍向上、名古屋大ら
名古屋大学の研究グループと東京エレクトロン宮城は、ウエハーを冷却しフッ化水素(HF)プラズマを用いる反応性イオンエッチング(RIE)プロセスのメカニズムを明らかにした。SiO2(二酸化ケイ素)膜のエッチング速度を従来プロセスに比べ5倍も向上させた。エッチングガスにHFを用いるため環境負荷も低減できるという。
EUV露光に対応する300mmウエハー塗布/現像装置、TEL
東京エレクトロン(TEL)が、極端紫外線(EUV)や深紫外線(DUV)を用いた露光プロセスに対応できる300mmウエハー塗布/現像装置「CLEAN TRACK LITHIUS Pro DICE」を発売する。
東京エレクトロン、岩手に成膜装置の生産と物流の新施設
東京エレクトロンは、開発/製造子会社の東京エレクトロンテクノロジーソリューションズ(岩手県奥州市)に建設していた「東北生産・物流センター」が完成、竣工式を行った。生産・物流現場の柔軟性や効率性を高め、拡大する市場や多様化する技術ニーズへの対応力を強化する。