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地政学が変えるメモリ調達戦略 「安く買う」だけでは危険成熟メモリこそ供給リスク大(2/3 ページ)

米中対立や輸出規制の強化によって、DRAMやNANDフラッシュメモリの調達を巡る前提が変わり始めている。HBMなど先端メモリは政策や地域の影響を強く受けるようになり、成熟メモリにも供給継続リスクが広がっている。サプライチェーンの地域化が進む中、機器メーカーには「最安調達」ではなく、継続供給やコンプライアンスを重視した戦略が求められている。

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非効率的な「地域化」が合理的な判断に

 かつて生産能力は規模拡大に向けて最適化されていたが、今後は各地域で重複して持つ必要がある。メモリ製造は、資本集約的で装置に大きく依存し、歩留まりが重要だ。生産能力が地理的に分散すると、ファブやロジスティクス、在庫配置、エンジニアリングサポートなどの非効率化へとつながる。

 それでも多くのエンドマーケットにとっては、地域化がより合理的なものになってきている。自動車や産業機器、通信、防衛関連などの市場では、出荷停止や製造ラインの停止、サービスの不具合といった事業中断のほうが、非効率化によるコスト増よりも重大な問題だ。つまり、「最もコストが低いこと」はもはや唯一の指標ではなくなり、生産を止めないことや収益を維持することが最優先事項になりつつあるのだ。

 レジリエンスとは「より多くの在庫を持つこと」と同義ではない。持続可能な戦略とは、厳格な認定プロセスや、在庫管理、契約、ロードマップ管理などを組み合わせたものだ。開発チームはまず、各メモリのBOM(部品表)を確認し、ノードの移行やパッケージングのボトルネック、シングルソースへの依存など、どこにリスクが存在するのか洗い出す必要がある。そして、そのような技術的な問題と、事業の重要性や再設計に要する時間を関連付けるのだ。その目的は、市場が割り当て販売に移行する前に、持続性を確保することにある。

  • 年間当たりの調達額だけでなく、重要性や再設計時間に応じて部品をセグメント化することで、長期供給契約が妥当かどうかを判断する。
  • 可能な限り部品の多様化を図る。ただし、各地域や使用条件において実際に認定可能な代替品に限定する。
  • 代替品を事前に承認し、早期に認定しておくことで、突然の政策変更による「緊急代替」を回避する。
  • サプライヤーのロードマップに合わせてライフサイクル計画を調整することで、サプライヤーが撤退したり優先度を下げようとしている製品に関して、調達チームが交渉しなくて済むようにする。

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