量産用PLP装置の導入1年以内に Lam幹部が語る勝機と戦略:「顧客の多くがパネル移行検討」(2/3 ページ)
半導体製造装置大手のLam Researchは、量産向けのPanel-Level Packaging(PLP)用装置が今後1年以内に顧客の初期パイロット生産に投入される見通しを明らかにした。同社幹部がEE Times Japanなどのインタビューに応じた。
前工程装置で強いLam、既存事業の強みがどう生きる?
――Lamは前工程におけるエッチングや成膜などの装置で高いシェアを有しています。前工程装置における強みをどのようにパッケージングで生かせると考えていますか。
Fellis氏 Lamは長年にわたり成膜、エッチング、ウェットクリーニングプロセスに注力してきた。これはチップ製造だけでなく、ウエハースケールの先端パッケージングも含む。チップ製造については1980年代にさかのぼるが、ウエハースケールの先端パッケージングについても2000年代初頭から成膜、エッチング、クリーニングといった工程全体にわたって開発を進めてきた。
成膜では、CVDなどさまざまな種類の装置が存在し、ウェットプロセスによる成膜としては電解めっき装置がある。具体的にはウエハーレベルパッケージ(WLP)に対応する「Sabre 3D」などだ。また、オーストリア・フィラッハ拠点で開発するウェットクリーニング装置「EOS」や「Da Vinci/DV-Prime」も、先進パッケージングに大きく貢献している。これらウエハースケールの技術は、パネルスケールでの技術を補完するものだ。
当社はウエハー上の成膜、エッチング、クリーニングといった全ての分野で大きなシェアを占めていて、ウエハースケールの先進パッケージングにも対応している。パネルレベルのパッケージングにおいても、同様の取り組みと能力を発揮できると考えている。
――PLP向けでKallistoとPhoenix以外に注力している製品や機器はありますか?
Fellis氏 KallistoとPhoenixによって、現在Lamがウエハー向けウェットプロセスで提供している能力をパネルレベルにも展開できるようになった。電解めっき、ウェットクリーニング、ウェットエッチングといった主要ウェットプロセスを全てカバーしている。
パネルレベルにおいては、現在これらのウェットプロセス装置が当社の注力分野となっている。ただし、PLP市場が発展し、Lamが他の領域でも価値を提供できるのであれば、その可能性についても検討していく。
PLP向け装置、何が課題だった?
――PLP向け装置開発における最大の技術課題としてはどんなものが挙げられますか。
Fellis氏 ウエハーからパネルへの移行は、装置全体の設計において課題をもたらす。パネルはウエハーと比べてサイズが大きく、しかも円形ではなく矩形(くけい)だ。そのため重量や反りの影響が大きくなる。ウエハーも先進パッケージング制御の過程で反るが、はるかに大きなパネルサイズの場合とは異なる。
重要なのは先端パッケージングやさまざまな加工工程を経ていく中で、パネルの反り特性がどのように変化するかを理解することだ。プロセス能力を評価する際には、非常に均一なプロセス性能が得られるようにする必要がある。そのため、パネルの中心から四隅まで、必要な均一性制御を全て実現し、再現性の高い性能が得られるように、加工チャンバーや加工セルを設計する必要がある。その実現に向け、パネルに的を絞った専用設計が必要だった。
1年以内に、一部顧客が初期パイロット生産へ移行
――量産向けのPhoenixはいつごろ市場投入されるのでしょうか。
Fellis氏 装置コンセプトとしては既に完成段階にある。重要なのは顧客と協力し、顧客が研究開発段階から量産段階へ移行するタイミングを見極めることだ。顧客が量産への移行準備が整った時点で既にKallistoを利用している顧客がPhoenixに同じプロセス機能を移行できるよう、当社は準備を整えている。
今後1年以内に、一部顧客が初期パイロット生産へ移行し、Phoenixを導入することになるだろう。
顧客について具体的な社名は上げられないが、OSAT(Outsourced Semiconductor Assembly and Test)のほか、現在先進パッケージングに取り組んでいる大手ファウンドリー、メモリメーカーが含まれるだろう。ウエハーレベルの先端パッケージングで当社と協業している顧客が、そのままパネルレベルへの移行においても当社と協力していくことになるだろう。
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