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TDKが米金属3Dプリント企業買収 データセンター冷却市場参入TDK受動部品にも応用検討

TDKは2026年6月10日、独自の3次元金属構造形成技術「電気化学的アディティブ・マニュファクチャリング(ECAM)」を有する米国Fabric8Labsの買収を発表した。これによりデータセンター関連事業の拡大を加速するとともに、TDK受動部品への技術応用も検討する。

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金属3Dプリント企業買収でデータセンター事業を加速

 TDKは2026年6月10日、独自の3次元金属構造形成技術「電気化学的アディティブ・マニュファクチャリング(ECAM)」を有する米国Fabric8Labsの買収について、最終契約を締結したと発表した。買収額は4億米ドル(約640億円)で、これには前払金と複数年にわたるアーンアウトが含まれる。

 ECAMは金属の3Dプリンティング技術によって、複雑かつ高精度な機械製品やソリューションを創出可能にするプロセスだ。2015年に米国カリフォルニア州サンディエゴで設立したFabric8Labsは、独自のECAMを用いエレクトロニクスや医療機器、通信、半導体用途などにソリューションを展開している。

Fabric8LabsのECAMで成形した金属素材
Fabric8LabsのECAMで成形した金属素材[クリックで拡大]出所:Fabric8Labs

 TDKは今回の買収を現中期経営計画(2024〜2026年度)における重要な戦略投資と位置付ける。Fabric8Labsを完全子会社化することで、データセンター関連事業の拡大を加速し、データセンターの液冷方式に用いるサーマルマネジメント部品が数年以内に提供可能になるとする。

 具体的には、半導体チップ上にプレートを設置し、内部に冷却液を流してチップを冷やす「コールドプレート」の内部構造体を手掛ける。チップによって発熱しやすい部位が異なり、それに応じて構造体の流路も設計する必要があるが、ECAMならより細かく製造コントロールできるため、流路を削って作る従来品よりも高効率な冷却が可能だという。

 TDK広報は「データセンター関連ビジネスは以前から手掛けているが、今回の買収をもって、サーマルマネジメント部品に新規参入する」とした。

 TDK代表取締役 社長執行役員CEOの齋藤昇氏は「今回の買収は、TDKの価値創造を加速させる極めて重要な一歩だ。Fabric8Labsのイノベーション力を融合させることで、次世代データセンターのパフォーマンスを左右する革新的なサーマルマネジメントシステム、効率的な電子部品、先進パッケージング技術を提供する」と述べる。

 Fabric8Labs CEOのJeff Herman氏は「TDKグループの一員になることで、自社技術をグローバルに拡大するためのリソースを得られる。これにより技術を磨きつつ、現在および将来の顧客が必要とするソリューションを安定供給できるようになる」としている。

受動部品へのECAM応用も「前向きに検討」

 TDKのコーポレートベンチャーキャピタルであるTDK Venturesは、2021年からFabric8Labsに出資してきた。TDK Venturesの出資企業を子会社化するのは、今回が初めてだという。子会社化に伴い、サンディエゴにあるFabric8Labs生産拠点の増強や、米国外への生産拠点拡大なども計画している。

 TDKの受動部品へのECAM応用も検討している。「Fabric8Labsには出資するだけでなく、技術部門同士のディスカッションなども行い関係性を築いてきた。具体的なロードマップが定まっているわけではないが、受動部品などでも前向きな展開が期待できる」(TDK広報)

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