東芝が新SiCパワーモジュール技術、インバーター電力損失30%減:低損失と高信頼を両立
東芝デバイス&ストレージ(東芝D&S)は、データセンターの電源システムなどに搭載される高周波インバーター向け炭化ケイ素(SiC)パワーモジュール技術を開発した。高周波動作によりインバーターの総電力損失を約30%低減できることを確認した。
チップの総面積を約36%削減、単位面積当たりの熱抵抗は約25%改善
東芝デバイス&ストレージ(東芝D&S)は2026年6月、データセンターの電源システムなどに搭載される高周波インバーター向け炭化ケイ素(SiC)パワーモジュール技術を開発したと発表した。高周波動作によりインバーターの総電力損失を約30%低減できることを確認した。
開発した技術は、SBDを内蔵したSiC MOSFETと実装構造を最適化したモジュール設計を組み合わせることで、高速スイッチング時における低損失と高信頼性を実現した。具体的には、市松模様のSBD配置と深いp型バリア領域を組み合わせたデバイス構造をベースに改良を加え、設計の自由度を高めた。
これにより、チャネルやドリフト層および、JFET領域の設計やゲート駆動条件など複数の設計パラメーターを調整し、オン動作とダイオード動作の両方で、安定した電流動作を実現した。この結果、オン抵抗は室温(25℃)で1.8mΩ・cm2、150℃の動作時で2.7mΩ・cm2となり、従来に比べ約50%低減した。面積当たりのSBD通電能力は約40%向上させた。
開発したSBD内蔵SiC MOSFETを搭載した1200V耐圧SiCパワーモジュールは、チップの総面積を従来比で約36%削減。その上、モジュールの導通損失を抑えるとともに、ダイオードの信頼性も維持できたという。単位面積当たりの熱抵抗は従来に比べ約25%改善した。シミュレーションを行いインバーターの総電力損失も確認した。この結果、従来に比べ60kHzの高周波動作条件で、約30%低減できることが分かった。
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