ニュース
MIM構造のメタサーフェス近赤外光源を実用化、タムロン:分析/検査用装置をハンディ型に
タムロンは、耐熱性に優れたチップ型光源「MIM(金属−絶縁体−金属)メタサーフェス近赤外光源」の実用化に初めて成功した。開発成果を用いれば、これまで大きくて持ち運びできなかった分析/検査用近赤外光源装置を、ハンディサイズにできるという。
タムロンが蓄積してきた熱処理・熱マネジメント技術を活用
タムロンは2026年6月、耐熱性に優れたチップ型光源「MIM(金属−絶縁体−金属)メタサーフェス近赤外光源」の実用化に初めて成功したと発表した。開発成果を用いれば、これまで大きくて持ち運びできなかった分析/検査用近赤外光源装置を、ハンディサイズにできるという。
近赤外光を用いる装置は、非破壊で被測定物の成分や状態を分析/検査できるため、医療や産業分野で注目されている。ところが、ランプなどを用いていたこれまでの光源は放熱対策などを施す必要があり装置自体が大型化していた。
光源をMIM構造にすれば、極めて薄く軽量化しながら、必要な波長の光を効率よく放出することが可能となる。これにより大幅に省電力化でき、装置を小型化できる。しかし、高い放射強度を得るため数百度以上にすると、さまざまな劣化を生じることがあったという。
今回は、大阪大学の高原淳一教授と共同で開発した。実用化に向けては、ガラスモールド(GM)レンズの製造でタムロンが蓄積してきた熱処理/熱マネジメント技術などを活用した。これにより、熱による劣化を回避することが可能となり、極めて高い熱負荷にも耐えられるメタサーフェス近赤外光源の実用化に「世界で初めて成功した」という。開発した光源は、2026年秋からコマーシャルサンプルの提供を始める予定だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
広い視野で高精細に観察できるX線撮影技術、理研ら
理化学研究所(理研)と大阪大学の研究グループは、ナノメートル領域で一瞬に起こる構造変化などを、広い視野で高精細に捉えることができる「X線撮影技術」を開発した。
高効率で高耐久の円偏光光源を開発、大阪大学ら
大阪大学の研究グループはアルバックと協力し、半極性面窒化インジウムガリウム(InGaN)量子井戸とストライプ型SiNxメタサーフェスを組み合わせることで効率を高めた「円偏光源」を開発した。3Dディスプレイや量子情報通信などへの応用に期待する。
波長265nmの深紫外LEDで発光効率を3倍に、スタンレー電気
スタンレー電気は、波長265nmの深紫外LEDで発光効率(WPE)7.5%を達成した。この値は現行品に比べ約3倍となる。また2026年度中にはWPEを10%まで高めた製品を投入する計画である。水除菌などの用途において処理能力の拡大が可能となる。2026年3月からサンプル品の出荷を始める。
2μm帯赤外線レーザー発振に成功、AKMら
旭化成エレクトロニクス(AKM)と京都大学の研究グループは、光源構造を最適化したことで、2μm帯赤外線フォトニック結晶レーザー(PCSEL)の発振に成功した。生体内物質の非侵襲センシングなど、従来技術では対応が難しかった用途に提案していく。
オキサイド、量子コンピュータ向けレーザー開発でVexlumと協業
オキサイドは2026年3月16日、フィンランドの先端半導体レーザー製造メーカーのVexlumと、量子コンピュータ向けレーザーの開発・製造に関する戦略的パートナーシップを締結したと発表した。両社の技術を統合して、サイズや出力などの制約を克服し、量子コンピュータ用途に最適化されたレーザー光源を実現するとしている。
イオントラップ量子コンピュータ向け光回路を考案、大阪大
大阪大学は、光回路によるスケーラブルなレーザー光配送構成を考案した。これによって、1チップ当たり数百量子ビットを扱えるイオントラップ量子コンピュータの実現可能性を示した、としている。レーザー光源の改良などが進めば、考案した光回路で数千量子ビットを制御できるとみている。

