バイオマス度40%で高耐熱性のエポキシ樹脂 三菱電機が新開発:2030年のグループ内適用目指す
三菱電機は2026年6月4日、バイオマス度40%以上で耐熱性、流動性も兼ね備えたエポキシ樹脂を開発したと発表した。SEMI-IPN構造などによってTg180℃以上や高い流動性を実現。2030年を目標に、半導体やモーターなど三菱グループ製品への適用を目指す。
SEMI-IPN構造でTg180℃以上を実現
三菱電機は2026年6月4日、バイオマス度40%以上で耐熱性、流動性も兼ね備えたエポキシ樹脂を開発したと発表した。2030年を目標に、三菱電機グループの各種製品への適用を目指す。
エポキシ樹脂は優れた熱機械特性や電気絶縁性、耐湿性などを有し、電力機器や電子デバイスにとって不可欠な材料だ。一方で強固な三次元架橋構造や熱硬化性などから、硬化後の再利用が難しい。現状は焼却処理されていることから、廃棄時のCO2排出が課題とされている。
植物由来のバイオマス材料を用いたエポキシ樹脂は、原材料の植物が成長時にCO2を吸収するため、実質的にCO2排出量を抑制できる。しかしバイオマス由来成分を増やしつつ、絶縁材料に求められる耐熱性や流動性を実現することが難しく、従来製品のバイオマス度は20〜30%程度にとどまっていた。
三菱電機が新開発したエポキシ樹脂では、バイオマス度100%のエポキシ化合物の主剤とバイオマス度約70%の添加剤を配合し、多段階の硬化プロセスを実施。主剤に硬化剤を混ぜて形成した架橋ポリマーに、添加剤で形成した線状ポリマーが高密度で絡み合う「SEMI-IPN構造」とした。架橋ポリマーの組成が緩む高温化でも、線状ポリマーが物理的に緩みを抑え込むことで、バイオマス度40%以上を達成しつつ、ガラス転移温度(Tg)180℃以上の耐熱性を実現した。
また主剤には液状のものを、添加剤には分子量が少ない低粘度のものを用い、配合比率を適正化したことで、製品に合わせた成形が可能な流動性を確保している。
三菱電機の担当者は「封止材向けのエポキシ樹脂として、バイオマス度40%以上でTg180℃以上の耐熱性、高い流動性を兼ね備えたものは開発品が初めてだ。今回、基礎的な特性を満たすものを開発できたため、半導体やモーターなど、各種アプリケーションに合わせた製品開発を進め、2030年の三菱電機グループ製品への適用を目指す」とした。
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