国際間の競争が激化する研究開発:福田昭のデバイス通信(520) 2026年度版実装技術ロードマップ(3)(1/2 ページ)
「2026年度版 実装技術ロードマップ」(JEITA発行)の「第2章 注目される市場と電子機器群」を引き続き紹介する。今回は、海外の取り組みとの比較や、電子機器群の分類/定義について取り上げる。
米国と中国の研究開発予算が突出して高い
電子情報技術産業協会(JEITA)が2026年6月に発行した「2026年度版 実装技術ロードマップ」の概要をご報告するシリーズの第3回である。報告のベースは、2026年6月9日に開催された完成報告会(注:報告会の撮影および録音は禁止)の講演スライドだ。ロードマップの策定を担当したJEITA Jisso技術ロードマップ専門委員会(JJTRC:Japan Jisso Technology Roadmap Council)のご協力を得て講演スライドの一部を掲載している。この場を借りて同委員会の皆さまに深く感謝したい。
シリーズの第2回では、「第2章 注目される市場と電子機器群」の冒頭「2.1 イントロダクション」の説明を始めた。「2.1.1 技術・イノベーションに係る国内外の動き」の中で「2.1.1.1 日本政府の取組み」に相当する部分となる。今回は「2.1.1.2 海外の取組み」と、「2.1.2 電子機器群の分類と定義」の概要を紹介する。
「2.1.1.2 海外の取組み」では、OECDが2026年3月に発表した主要科学指標(MSTI:Main Science and Technology Indicators)の最新暫定値を引用した。主要国の研究開発支出は近年、過去最高水準を更新し続けており、国際間の研究開発競争が激しさを増していることがうかがえる。
研究開発予算の最大国は2024年の時点で米国と中国であり、両国の支出はそれぞれ約1兆米ドルとほぼ拮抗する。20年前の2004年の時点では米国が3000億米ドルで断トツであり、日本は1000億米ドル強で2番目に付けていた。ところが2010年代に米国が研究開発支出を急増させ、中国は米国を上回る勢いで研究開発予算を増やした。その間、日本は予算をほとんど増やしていない。その結果、2024年の日本における研究開発支出は約2300億米ドルで、米中両国の4分の1程度と大きく見劣りする状態に至った。
2026年度版の第2章では将来の産業競争力の源泉を俯瞰的に把握
続いては「2.1.2 電子機器群の分類と定義」の概要を報告したい。2026年度版の第2章「注目される市場と電子機器群」は、「2.2 情報通信」「2.3 モビリティ」「2.4 メディカル・ライフサイエンス関連の電子機器」「2.5 新技術・新材料・新市場」(「2.5.2 ペロブスカイト太陽電池」「2.5.3 核融合発電」「2.5.4 宇宙開発」「2.5.5 防衛」「2.5.6 防災ロボット」)で構成される。
2026年度版の第2章は、個別技術の羅列ではなく、社会課題と技術の結び付きを重視した。将来の産業競争力の源泉を俯瞰的に把握する視点を示す。具体的には第2章の選定項目を、実装密度の高低(縦軸)と、装置規模とサイズの大小(横軸)の要素からマッピングしてみせた。
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![「2026年度版 実装技術ロードマップ」の第2章第1節「2.1 イントロダクション」の構成[クリックで拡大] 出所:JEITA Jisso技術ロードマップ専門委員会](https://image.itmedia.co.jp/ee/articles/2607/28/mm260728_device01.jpg)
![主要国の研究開発予算推移(2000年〜2024年)[クリックで拡大] 出所:JEITA Jisso技術ロードマップ専門委員会](https://image.itmedia.co.jp/ee/articles/2607/28/mm260728_device02.jpg)
![第2章の選定項目(第2章第2節〜第2章第5節)に属する電子機器群の実装マップ[クリックで拡大] 出所:JEITA Jisso技術ロードマップ専門委員会](https://image.itmedia.co.jp/ee/articles/2607/28/mm260728_device03.jpg)