商社が見る激動の半導体市場 今後は「バッファー在庫の確保が重要に」:価格優先から安定調達へ(2/3 ページ)
半導体/電子部品の専門商社であるコアスタッフは、電子部品の過剰在庫が減少し、受注が回復局面に入ったとの見方を示した。独自の景気指数「CEDI」も2025年11月を転換点として上昇している。MLCCを中心とする受動部品の需要増や、安定調達を支える同社の取り組みを紹介する。
独自指数「CEDI」は上昇基調
半導体市場の現状分析と予測にあたって、コアスタッフは独自の景気指数「コアスタッフ電子部品需要指数(CEDI:CoreStaff Electronic Components Demand Index)」を設定している。「受注件数の変化」「1件当たりの平均受注数量」を掛け合わせ、稼働日を考慮して算出した値で、市場の勢いと需要の大きさの両方が反映されている。
2023年の平均を基準とすると、2021〜2022年はコロナ禍の半導体不足を受けた在庫の積み増しトレンドでCEDIの値が高かったが、その後は在庫過多となり低迷。2025年11月を転換点として、現在は上昇トレンドが続いている。
中国企業との競争には中国製部品の活用が不可欠に
今後の市況について、戸澤氏は「AI関連はデータセンター需要でGPUや広帯域メモリ(HBM)を中心に強気の市況が続くだろう。一方で過剰投資の可能性もあり、需要急減のリスクもある。フィジカルAIもプラス材料になるが、いつごろ立ち上がってくるかは分からない」と説明した。AI関連以外では、AI需要に連動して半導体製造装置が市場をけん引する見込みだ。また、防衛用途は3〜4年間、好調を維持するとみられる。
日本企業を取り巻く環境については「国際的な競争力を失ってきた中でも、半導体製造装置など、高単価で価格競争になりにくい製品では今も強みを持っている」と説明。こうした変化の中で、部品調達における考え方も価格最優先から安定入手優先になったという。
中国企業のシェア拡大などによる競争環境の変化については「中国企業と競争するには、コスト抑制のために中国製部品も使う必要があるのではないか。欧米の企業は当たり前のように中国製部品を活用していることから、経営層に欧米出身者がいる大手企業などは柔軟に対応している傾向がある。逆に中堅企業は中国製部品を使わないようにしている場合があり、そうした固定概念を取り除くことが私の役割でもある」と分析した。
今後の課題としては、戦争や天災による急激な需給バランス変動とそれに伴う価格高騰がある。また、GPUやHBM以外でも供給確保に向けた競争が始まっていて、メーカー企業が部品や材料のバッファー在庫を持つことの重要性が高まっているという。
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