酸化ガリウムの結晶内欠陥を3次元的に可視化:大面積を非破壊で高速に観察
ノベルクリスタルテクノロジーはファインセラミックセンター(JFCC)と共同で、次世代パワー半導体材料の「酸化ガリウム」について、結晶中の欠陥を3次元的に可視化する技術を開発した。非破壊で高速に大面積の欠陥分布を評価でき、検出精度も高い。
1枚当たり360×300μmの画像を0.003秒で取得
ノベルクリスタルテクノロジーは2026年7月、ファインセラミックセンター(JFCC)と共同で、次世代パワー半導体材料の「酸化ガリウム」について、結晶中の欠陥を3次元的に可視化する技術を開発したと発表した。非破壊で高速に大面積の欠陥分布を評価でき、検出精度も高い。
酸化ガリウム(β-Ga2O3)は、高効率で高耐圧のパワーデバイス用材料として期待されている。ただ、β-Ga2O3結晶中には転位などの結晶欠陥が存在し、デバイスの性能や信頼性を低下させる要因となっていた。
このため、実用化に向けては結晶内部の欠陥をより正確に検出し、低減する必要があった。しかし、X線トポグラフィーを用いた従来の手法は、転位を観察するために結晶学やX線回析などに関する専門知識が必要となり、容易に扱える手法ではなかったという。
研究グループは今回、位相差顕微鏡を用いてβ-Ga2O3結晶を観察。高速かつ非破壊で結晶中の欠陥を3次元的に可視化して評価できることを実証した。実験では1枚当たり360×300μmの画像を0.003秒で取得。6インチ径ウエハー全面の観察に必要な約17万枚の画像も、計算上は約500秒で撮影できるという。
取得した画像には転位とみられる点状のコントラストが確認できた。他の評価方法と比較したところ、96%を超える一致率となり高い検出精度であることが分かった。さらに、焦点位置を結晶の上面から下面まで変化させながら、3次元観察を行った。これにより、転位の多くが特定方向にやや傾きながら直線的に貫通していることが分かった。一方で傾斜方向が異なるものや、全体として貫通しているが局所的に蛇行しているものなど、さまざまな形態の転位が存在することを確認した。
これまでの手法では分離できなかった「近接転位」(間隔約6.5μm)についても、個々の転位を識別できることが分かった。
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