半導体高度化で出番が増える 京セラの装置用セラミックス:「金属で十分」だった領域にも(2/2 ページ)
AI需要を背景に半導体市場が拡大する一方、微細化や3次元(3D)積層化によって製造プロセスは複雑化している。京セラは、幅広い材料ラインアップと成形/加工技術を強みに、半導体製造装置向けファインセラミック部品を強化している。前工程に加え、中/後工程での用途開拓も進める。
ウエハー保持からチャンバーのぞき窓まで 各工程に製品展開
半導体製造装置に使われる京セラの製品は幅広い。研磨工程向けのラップ盤やフォトレジスト塗布装置向けのヒーター、露光装置向けステージ、ウエハーを搬送するウエハーハンドのほか、静電チャックや真空チャックなどを展開している。前工程だけでなく、バックグラインドやプローバーといった後工程にも製品を供給する。京セラによると、こうした構造部品の市場シェアは40〜50%に達するという。
説明会の会場では、異なる材料の静電チャックやピンチャック、ポーラスチャック、サファイア基板などを展示した。
静電チャックは、真空環境などエアによる吸着が使えない工程で、静電気を利用してウエハーを保持する部品だ。会場ではアルミナ製と窒化アルミニウム製の静電チャックを展示。常温域では比較的コストを抑えられるアルミナ、高温環境では窒化アルミニウムを使うなど、使用条件に応じて材料を使い分ける。内部には電極を形成している。
ピンチャックとポーラスチャックはいずれも真空吸着を利用する。ピンチャックは表面に微細なピンを設けることでウエハーとの接触面積を小さくし、異物の影響を嫌う露光や検査などの工程で使われる。ポーラスチャックは、空気が通る多孔質体を介してウエハーを吸着するもので、ウエハーをしっかり保持する必要があるバックグラインドなどに用いる。
現在は円形のチャックが中心だが、今後、パネルレベルパッケージングなどでガラス基板をはじめとする角形基板の利用が広がることを見据え、角形にも対応できることを示すため四角形のチャックも展示した。
サファイアは、半導体製造装置の真空チャンバー内部を確認するためののぞき窓などに使われる。ガラスでは対応が難しい高温環境やプラズマ環境でも利用できる。
中工程/後工程にも用途拡大
生産/開発体制も強化する。ファインセラミック事業は現在、日本、米国、ドイツに計9カ所の製造/開発拠点を構え、2026年9月1日には長崎諫早工場(長崎県諫早市)を開設する予定だ。販売拠点も日本、米国、ドイツ、アジアに展開している。
京セラ ファインセラミック事業本部の篠塚淳氏は「グローバルな体制でありながら、同時に顧客に密着したきめ細かいサポートを提供できることが強みだ」と述べた。
今後は、技術革新が続き、工程の繰り返し回数も増える露光、エッチング、成膜などの前工程を引き続き重点領域とする。半導体の高積層化によって露光や成膜などを繰り返す回数が増えれば、製造装置やそこで使われるセラミック部品の需要拡大につながると見る。
同時に、先端パッケージングや中工程/後工程向け製造装置でもセラミック部品の用途開拓を進める。京セラによると、中工程/後工程のプロセス自体が高度化することで、従来は金属系材料などで対応できていた領域でも、セラミックスが必要になるケースが増えつつあるという。
京セラはこのほか、次世代静電チャックへの参入によるシェア拡大も進める。これらの施策によって、半導体製造装置向け事業で年平均成長率(CAGR)2桁以上を確保し、WFE(Wafer Fab Equipment)市場の成長率を上回る事業拡大を目指している。
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