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半導体の「データ移動」を効率化 米IP新興が日本進出HPCや車載、ロボティクスに商機(2/2 ページ)

AIやチップレットの普及によって半導体設計が複雑化する中、チップ内/チップ間の「データ移動」に着目したファブリックIPを手掛けるBaya Systemsが、日本市場での事業を本格化している。日本では高性能コンピューティング(HPC)や車載に加え、エッジ、コンシューマー、ロボティクス分野にも商機を見込む。

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日本市場ではHPC、車載に期待

 Baya Systemsが次の成長市場として力を入れる地域の1つが日本だ。

 同社によると、日本では高性能コンピューティング(HPC)関連企業2社が既に同社の技術に強い関心を示しているという。HPCのような高性能システムでは、多数の演算コアやアクセラレーターの間で大量のデータをやりとりする必要があり、ファブリックの性能がシステム全体に与える影響も大きい。

 車載も重点市場として挙げる。自動車では電動化や先進運転支援システム(ADAS)の高度化によって車載SoCの性能が高まり、CPUやアクセラレーター、メモリなどを効率的に接続する必要性が増している。

 一方、Baya Systemsは日本市場をHPCや車載といったハイエンド分野だけで捉えているわけではない。Baya Systems 最高商務責任者(CCO)のNandan Nayampally氏は、日本市場の特徴について「コンシューマー向けとエッジへの注力」を挙げる。

 「従来のわれわれの顧客はどちらかというとハイエンドが中心だった。日本では、それに加えて効率性やコンパクトさが求められる市場がある」(Nayampally氏)

 高い演算性能を最優先するデータセンター向け半導体に対し、エッジやコンシューマー向けでは、性能を確保しながら消費電力やチップ面積を抑えることがより重要になる。Baya Systemsは、用途ごとにファブリックを柔軟に設計できる点をこうした市場でも生かせるとみる。

「日本ではロボティクスが面白い」

 日本で特に注目している分野としてNayampally氏が挙げたのがロボティクスだ。

 同氏は、HPCなどのハイエンド市場では日本と欧米の顧客が抱える課題に大きな違いはないとする。一方、日本にはハイエンドだけでなく「ミッドレンジの顧客が多くいる」とみていて、その代表例としてロボティクスを挙げた。

 ロボットでは、CPUやAIアクセラレーター、センサーなど多様な機能を限られた電力やスペースの中に統合する必要がある。こうしたシステムでデータを効率よくやりとりすることも、Baya Systemsが狙う用途の1つになる。

 同社が想定する顧客は半導体メーカーだけではない。ハイパースケーラーやシステムベンダーなど、自社でシステムや半導体アーキテクチャを開発する企業も対象になる。

 ファウンドリーやEDAベンダーを含む半導体エコシステムとの協業にも意欲を示す。日本でも、新たな半導体設計や製造のエコシステムが構築される中、幅広い企業との連携を模索していく考えだ。

目標は「日本の設計エコシステムに入ること」

 日本市場での事業の数年後の目標として、Baya Systemsは、具体的な売上高や顧客数ではなく「日本の半導体設計エコシステムへの定着」を掲げる。

 「日本の設計エコシステムに合った製品を提供することができれば一番良い。日本の半導体やシステム業界におけるイノベーションを、われわれが提供するものによってよりシンプルにできれば、それ以上の成功はない」(Nayampally氏)

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