住友化学が屈折率1.06の透明薄膜形成材料 イメージセンサーなどに:光電融合デバイスへの応用も
住友化学が、超低屈折率の透明薄膜を形成できる塗工液を開発したと発表した。波長550nmで屈折率1.06を実現。CMOSイメージセンサー(CIS)の集光部や、光電融合デバイスの光接続部などへの応用を見込む。
住友化学は2026年9月24日、超低屈折率の透明薄膜を形成できる塗工液を開発したと発表した。波長550nmで屈折率1.06を実現した。CMOSイメージセンサー(CIS)の集光部や、光電融合デバイスの光接続部などへの応用を見込む。2026年中にサンプル提供を開始する予定だ。
CISなどの光学センシングや拡張現実(AR)/仮想現実(VR)用ディスプレイ、光電融合を利用する次世代半導体では、光学設計の高度化に伴い、材料の屈折率を利用して光を精密に制御する技術の重要性が高まっている。特に、光の利用効率を高めるには材料間の屈折率差を適切に制御する必要がある。さらに、微細な柱状構造を利用して光の位相などを制御するメタレンズのような次世代光学素子では、極めて低い屈折率を持つ材料が求められているという。
実用レベルで「世界トップクラス」の低屈折率
住友化学はこれまで、ディスプレイ用途などに向け、高屈折率から低屈折率まで幅広い樹脂塗工液を開発してきた。今回、こうした樹脂設計技術を活用し、実用レベルで「世界トップクラス」(同社)という屈折率1.06の透明薄膜を形成できる塗工液を開発した。
開発品は、スピンコート法などで基材上に塗布した後、加熱または紫外線(UV)照射によって薄膜を形成する。形成した膜はナノレベルの細孔が均一に分散した構造を持つ。塗工液の組成や成膜条件を調整することで、550nmの波長における屈折率を1.06〜1.36の範囲で制御できるという。
膜厚は最大4μm。可視光領域(400〜700nm)での透過率は膜厚1μm当たり99.9%で、ヘイズは0.1%未満としている。耐熱温度は300℃で、耐溶剤性も備える。同社の評価では、アセトンに10分間浸漬した後も膜厚や光学特性に変化がなかったという。
住友化学は2026年中に開発品のサンプル提供を開始する予定だ。同社は「今回の超低屈折率材料のラインアップ拡充によって、住友化学は業界屈指となる屈折率レンジの材料ポートフォリオを有することになる。今後も先端デバイス分野における多様な光学設計ニーズに応える材料開発を通じて、新たなソリューションの提供を目指していく」とコメントしている。
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