飛行中ドローンから高解像度ライブ映像伝送、京大:Wi-SUN FAN準拠のVHF-IoT用い
京都大学の研究グループは、国際無線通信規格「Wi-SUN FAN」に準拠したVHF帯狭帯域IoT通信システム(VHF-IoT)を用い、飛行中のドローンから高解像度のライブ映像を無線伝送することに成功した。
占有帯域幅400kHzで600kbps、1200kHzで2400kbpsの高速伝送
京都大学情報学研究科の原田博司教授らによる研究グループは2026年9月、国際無線通信規格「Wi-SUN FAN」に準拠したVHF帯狭帯域IoT通信システム(VHF-IoT)を用い、飛行中のドローンから高解像度のライブ映像を無線伝送することに成功したと発表した。
研究グループはこれまでに、VHF-IoTに対応した無線伝送装置を開発。この装置を用い2026年5月には30kmを超える長距離無線伝送の実証に成功した。この実証実験では1対1の伝送を中心に行っていて、FSK変調で400kHzという限られた周波数帯域を用いたため、伝送速度は150kビット/秒にとどまっていた。
今回は、長距離通信に適した170MHz帯および、220MHz帯のVHF-IoTに、OFDM方式を用いたWi-SUN FAN準拠の無線通信システムを開発した。これによって、占有帯域幅400kHzで600kビット/秒、1200kHzの場合には2400kビット/秒という高速伝送を実現した。しかも、地上局とドローンとの間では自律的に無線接続を行い、IPベースのデータ通信を行うという。
また、刻々と変化する無線通信環境においても、安定したライブ映像を伝送するための「パケットアグリゲーション」や、重要な画像フレームを高品質かつ高効率に伝送する独自の「映像圧縮・伝送方式」を開発し採用した。これらの技術を組み合わせることで、高品質なライブ映像を安定して伝送することが可能となった。
研究グループは開発した無線通信システムを用い、災害時の広域監視を想定したドローン飛行実験を行った。ドローンにはVHF帯Wi-SUN FAN無線機(ルーター)やカメラ、映像伝送システム送信局を搭載した。そして、高度25mおよび50mで飛行しながら撮影したライブカメラ映像を地上側に送信した。
地上側ではVHF帯Wi-SUN FAN無線機(ボーダールーター)で受信したデータを映像伝送システム受信局で復号し、ライブ映像をリアルタイムに表示し録画した。この結果、VHF帯の狭帯域通信ではあるが、飛行中のドローン側からは、HD解像度(1280×720画素)で毎秒10フレームのライブ映像を10分以上も安定して伝送できることを確認した。
今回の実験では、伝送距離が約50mだった。今後はマルチホップ通信機能なども活用し、数km規模の伝送距離を視野に入れながら、飛行高度や伝送距離、地形、遮蔽物などさまざまな実環境の条件下で、ライブ映像の伝送実証を行っていく。映像圧縮方式やパケットアグリゲーションおよび、映像伝送制御方式のさらなる高度化にも取り組む計画だ。
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