ニデック、岸田前社長の辞任経緯語る:新社長「過去に戻る考えはない」(4/4 ページ)
ニデックは2026年10月1日、決算発表や社長交代に関して記者会見を開催し、前社長岸田光哉氏が同年9月29日付で辞任した経緯を説明した。
戒田新社長「何としても上場維持」
岸田氏の後任として社長執行役員兼CEOに就任した戒田氏は、新体制で内部統制やガバナンスの立て直しを進める方針を示した。戒田氏は、改善計画について自身も策定段階から関与し、国内外の重要拠点を回ってその意義を説明してきたと強調。改善計画をグローバルに浸透させて実行に移すとともに、上場維持についても「何としてもこれを維持するというのが、われわれの1つのミッション」と述べた。
経営面では、成長が期待できる事業に経営資源を集中させる一方、投下資本利益率(ROIC)などを基準に事業ポートフォリオを見直す。収益性などを踏まえて「何を残すか」を判断し、3〜5年の計画の中で事業の選択と集中を進める考えを示した。
なお巨額の減損を計上した車載事業について、戒田氏は「車載は非常に大きな市場であり、技術が失われたわけではない」と強調。今後の成長につなげていく考えを示した。
質疑では、戒田氏自身と一連の不適切な会計処理との関係についても質問が出た。自身は関与していないとの認識なのかと問われると、第三者委員会が多くの社員や役員にヒアリングを行ったとした上で、「私は1秒もヒアリングを受けていない」と回答した。
70歳で経営トップを引き受けた理由について、戒田氏はニデックが現在「有事の状態」にあるとの認識を示した。そのうえで「約50年の職業人生の中で最後の貢献をしたいと考え、引き受けた」と説明した。
永守氏に感謝も「過去に戻る考えはない」
創業者の永守重信氏への印象についても質問に答える形で言及した。戒田氏は、永守氏と出会ったのは1997年だと説明。その後、日本電産リード(現ニデックアドバンステクノロジー) で上場という「大きな仕事」を経験したとして、「小さな会社に、大きな夢を与えてくれた」と振り返った。「社員も含めて、大きな夢を与えてくれたということでは非常に感謝している」と語った。
一方で、こうした永守氏への評価と現在の経営については「今どうなんだということとは全く次元が違う話」と切り分けた。戒田氏は、自身も再生委員会の報告書に意見を出してきたと説明。その上で「過去に戻るという考え方はございません」と強調した。「第2の創業」を掲げているとして、「今度は自分たちで自分たちの会社を作っていくんだということには何も変わりがない」と述べた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
ニデックが旧コパル電子を売却 1029億円で
ニデックが、完全子会社のニデックコンポーネンツ(旧コパル電子)を米投資会社The Carlyle Group(以下、カーライル)傘下の投資ファンド側に売却する。譲渡価額は1029億8000万円で、2026年12月1日の譲渡を予定する。
ニデック、最終赤字5646億円 監査法人は「意見不表明」
ニデックは2026年9月30日、発表を延期していた2026年3月期通期(2025年4月〜2026年3月)決算を発表した。売上高は前期比3.9%増の2兆7087億500万円だった一方、営業損益は5189億7800万円の赤字、最終損益は5646億2400万円の赤字となった。非金融資産の減損損失6321億3500万円を計上した。会計監査人のPwC Japanは、2026年3月期の連結財務諸表および財務諸表について「意見不表明」とした。
ニデック岸田社長が辞任 財務報告で「適切とは言いかねる言動」
ニデックの代表取締役社長執行役員兼CEOである岸田光哉氏が辞任した。後任の社長執行役員兼CEOには、専務執行役員兼最高技術責任者(CTO)の戒田理夫氏が就任した。代表取締役には、取締役常務執行役員の南井正之氏が就任した。
ニデックが「岸田社長の解任決議」報道にコメント
ニデックは2026年9月28日、取締役会が同社社長の岸田光哉氏の解任を決議したほか、1兆円規模の減損損失を計上する方針だとする一部報道を受け、コメントを発表した。役員変更および大規模な減損処理について検討していることは事実とする一方、「現時点で当社として決定した事実はない」としている。
ニデック品質不正問題 岸田社長「全ての説明責任は私に」
ニデックは2026年9月4日、同社グループで発覚した品質不適切行為を巡り記者会見を実施。外部専門家で構成する調査委員会が844件の品質不適切行為を認定したことを受け、同社社長の岸田光哉氏は「明らかになった事案の全てはわれわれ製造をなりわいとする会社にとって、顧客の信頼の根幹に関わる事案であり、全てを重く受け止めている」と強調した。
ニデックの品質不正844件 組織的関与も
ニデックは2026年9月4日、同社グループにおける品質不適切行為などについて、外部専門家で構成する調査委員会の調査報告書を公表した。調査では品質不適切行為844件が認定され、うち60件は法令違反疑いなどの重大事案とされた。
