スマートフォン「iPhone」歴代モデルの要素技術(後編):福田昭のデバイス通信(528) 2026年度版実装技術ロードマップ(11)(1/2 ページ)
「2026年度版 実装技術ロードマップ」の概要を紹介するシリーズ。前回に続き「2.2.2 モバイルデバイス、メタバース」を取り上げる。「iPhone」のリアカメラモジュールや、チップ部品の実装技術について紹介する。
(ご注意)今回は前編の続きです。まず前編を読まれることを強く推奨します。
望遠カメラの光学倍率を2022年の3倍から2023年では5倍に向上
前編(前回)では、「2.2.2.1 モバイルデバイス」の概要から前半部分を述べた。今回は概要から後半部分をご説明する。
前編で述べたように歴代「iPhone」が搭載してきたリアカメラのモジュールは、2019年モデル以降は3個(広角カメラと望遠カメラに超広角カメラを追加)に増えた。2023年モデル(「iPhone 15 Pro Max」)では望遠カメラモジュールが大きく進化した。光学系にテトラプリズム(断面がひし形のプリズム)を採用したのである。テトラプリズムを活用すると、対物レンズから入る光を4回反射させてイメージセンサーに入れることにより、カメラモジュールの厚みを増やさずにレンズの焦点距離を延ばせる。この結果、望遠カメラの光学ズーム倍率を従来(2022年モデル「iPhone 14 Pro Max」)の3倍(35mm判換算で65mm相当)から、「iPhone 15 Pro Max」では5倍(同120mm相当)へと高めた。
さらに2025年モデル(「iPhone 17 Pro Max」)では望遠カメラのイメージセンサーを4800万画素と従来の1200万画素から4倍に高めたことに伴い、テトラプリズムを大型化した。光学ズーム倍率は4倍(35mm判換算で100mm)である。またイメージセンサーの画素数を見かけ上1200万画素(4画素の同一色画素を1画素に変換)相当に減らすことで光学ズーム倍率を8倍(35mm判換算で200mm)に高める高倍率撮影モードを導入した。
チップ部品の主役は2007年モデルの「0603」から2019年モデルでは「0402」に縮小
ここからは「(3)スマートフォン iPhoneのチップ部品実装技術」の概要を簡単にご紹介しよう。「iPhone」の進化を支える要素技術は、アプリケーションプロセッサとカメラモジュールだけではない。世界最高水準のチップ部品実装技術も「iPhone」の進化に貢献してきたと、実装技術ロードマップは説明する。
実装技術ロードマップ本体では、メインボードの実装技術(外観写真と多層基板、チップ部品など)を2007年モデル(「iPhone 2G」)、2012年モデル(「iPhone 5」)、2017年モデル(「iPhone X」)、2019年モデル(「iPhone 11 Pro Max 4G」)、2025年モデル(「iPhone Air」と「iPhone 17 Pro Max」)で比較した。
2007年モデル(「iPhone 2G」)が搭載したチップ部品の数は643個、その中で約68%が「0603サイズ」(0.6mm×0.3mmの大きさ)だった。これが2019年モデル(「iPhone 11 Pro Max 4G」)になると、チップ部品の搭載数が1418個と2.2倍に増えるとともに、約62%が「0402サイズ」(0.4mm×0.2mmの大きさ)に小型化した。なお2007年モデル(「iPhone 2G」)は「0402サイズ」のチップ部品を搭載していない。最小サイズは0603サイズとなっている。
「iPhone」が採用してきた高密度実装技術の例。左から2019年モデル(「iPhone 11 Pro Max 4G」)、2025年モデル(「iPhone Air」)、2025年モデル(「iPhone 17 Pro Max」)[クリックで拡大] 出所:JEITA Jisso技術ロードマップ専門委員会
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