台湾も直面する「半導体人材不足」 官民の積極対応促す:フィジカルAIでの勝機確信も
AMDのDavid Wang氏は米国EE Timesのインタビューで、台湾にはフィジカルAIやAI搭載PC市場において大きなチャンスがあるものの、人材不足がボトルネックになる可能性があると語った。
EE Times Taiwanが主催する「iTechCon」カンファレンスでは、業界専門家や政府関係者によるパネルディスカッションが行われ、台湾のAI分野における成長機会にとって人材不足が大きな課題であると指摘された。
AMDのGPUテクノロジーおよびエンジニアリング担当シニアバイスプレジデントを務めるDavid Wang氏は、パネルディスカッション後の米国EE Timesの独占インタビューで、「台湾企業は製造の枠を超えて、設計やアーキテクチャでもさらなる価値を獲得する準備ができている」と語った。
Wang氏は「必ずそうなると期待している。しかし、それには、より多くのシステムやソフトウェアの開発能力を有する人材を育成する必要があるため、官民の協力が不可欠だ」と述べている。
人材の育成は「ニワトリとたまご」のような関係にあり、何らかの介入がなければ、学生が他の分野を選択するという状況は変わらないだろうとWang氏は指摘する。
Wang氏は「学生がいなければ、人材が生まれず、ハードウェア以外の分野での発展は望めない。しかし、そうした産業が存在しなければ、人材を育成することもできない。官民が積極的に介入しない限り、この悪循環を断ち切るのは難しいだろう」と続ける。
台湾が狙う「次なるチャンス」は
Wang氏は「AIがラックスケールで拡大する中、台湾にとって次の大きなチャンスは、先端パッケージング、ネットワーク、シリコンフォトニクスにある」と述べ、「フィジカルAIも多くの分野の統合が必要となるため、大きなチャンスになる」と付け加えた。
「フィジカルAIには、チップ、ファームウェア、ソフトウェア、システムが統合されている。それぞれは複雑ではないかもしれないが、台湾は連携、迅速な対応、高い俊敏性で知られており、台湾のエコシステムにうまく適合する分野だと言える」と同氏は述べる。
Wang氏は「台湾は既にPCエコシステムの中心地であるため、AI PCは新な大きなチャンスになり得る」と述べている。
「フィジカルAIへの移行が進む中で、これはPCモデルを再現する絶好の機会になると確信している。ただし、それには標準規格とオープンスタンダードが必要だ。台湾には大企業が多くないため、中小企業の真の繁栄には、誰もが参加でき、誰もが活躍でき、誰もが成功できるように、オープンスタンダードを備えたオープンなエコシステムに参画することが不可欠だ」(Wang氏)
台湾のエコシステムと文化
Wang氏は「国際企業は既に台湾のエコシステムに頼っている。この背景には、台湾の勤勉で協調的な文化がある」と指摘する。
「ツールやプロセスは模倣できるが、文化を模倣するのは非常に難しい。仕事への取り組み方や、顧客や顧客の優先事項への対応における勤勉な姿勢は、模倣するのが極めて難しいものだと思う」と同氏は述べている。
AMDは2026年初め、台湾のエコシステムへの100億米ドルの投資を発表した。Wang氏によると、この資金は主に、OSATのASE、同社のパッケージング/テスト子会社であるSPIL、パッケージング企業のPTI(Powertech)など、AMDの台湾パートナー企業と連携して、先進パッケージングおよび先進基板の生産能力の拡充に充てられるという。
「2027年の計画だけではもはや不十分であるため、計画の視野を広げた」とWang氏は述べた。「今回の計画は数年先を見据えたものだ。AIの成長はまだ初期段階にあると仮定し、生産能力が十分であることを示したい」
先進パッケージングは、AMDの計画にとって極めて重要だ。Wang氏は、AMDがチプレット集積や3次元(3D)積層への移行を主導してきたことを指摘した。
「これらを実現するためには、アーキテクチャレベルで計画を立てなければならない。後付けでは難しい。われわれはサプライヤー、特にTSMCと非常に緊密に連携しており、これらの技術をほぼ共同で開発している」(Wang氏)
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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