2nm微細化の効果は絶大、Apple新スマホチップ「A20 Pro」分解:この10年で起こったこと、次の10年で起こること(108)(1/3 ページ)
前回に引き続き、2026年9月18日に発売されたApple最新スマートフォン「iPhone 18 Pro」のプロセッサ「A20 Pro」を中心に分解する。シリコン面積は前世代の「A19 Pro」とほぼ同じだが、3nmから2nmへと微細化した効果は絶大だ。
2026年秋のApple新製品ラッシュは続く
今回は、前回報告に引き続いて2026年9月18日に発売されたApple最新スマートフォン「iPhone 18 Pro」についての報告となる。前回はiPhone 18 Pro分解の様子をメインに報告したが、今回はメインのプロセッサ「A20 Pro」を中心に取り上げる。
Appleは2026年秋に「iPhone(18 Pro/18 Pro Max/Duo)」「Mac(mini/Studio)」「Apple Watch(Ultra 4/Series 12)」「AirPods 5」「Apple TV 4K」「HomePod mini 2」など続々と新製品を発表し、順次発売している。本稿は10月23日の早朝に書いているので、「iPhone Duo」やHome Podなどはまだ入手前だが(全て予約はしてある)、入手次第分解の予定となっている。またAppleは10月28日(米国時間)に「Pro and Tell」というイベントを開催予定で、ここでも新製品が複数発表されると予想されている。本稿公開時にはさらに複数の新製品が加わっていることは間違いない。それらも今後追って報告していきたい。
Appleだけでなく、2026年秋には各社から新プロセッサを搭載した新製品が続々と発売されている。Qualcomm、MediaTekはともにTSMCの2nmプロセスで製造される新プロセッサを提供し、それらを採用したスマホが登場した。新プロセッサ全種を網羅的に観察できるように数機種の新スマホを入手し、解析を行っているところだ(かなり忙しい……)。またHuaweiの新プロセッサも解析中で、少し先になるが上記と合わせて報告したい。
A20 Proだけじゃない、Apple独自開発チップ多数搭載
図1はiPhone 18 Proの内部の基板と、A20 Proプロセッサのパッケージ取り外しの様子である。基板にはAppleが開発したチップが多数搭載されている。プロセッサだけでなく、電源IC、モデムチップ「C2」、C2とセットのトランシーバー、Wi-Fi 7対応ネットワークチップ「N2」、超広帯域無線(UWB)チップなどだ。通信とデータ処理は全てApple製となっている。
A20 Proは、2nmプロセス製造のSoC(System on Chip)とLPDDR5Xメモリがパッケージ内に収納されている。図1右上のように、パッケージ裏面には端子のボールと、プロセッサの演算器の直上にシリコンキャパシターが設置されている。パッケージの上方にはシリコンキャパシターはないが、下方には4種のシリコンキャパシターが設置されている。
合計14個のシリコンを収めたA20 Pro
図2はA20 Proのパッケージからレジンやボールを取り外した様子である。図2左側のように、パッケージ内にはプロセッサシリコンとメモリシリコンが並んで配置されている。図2右側のように、シリコンキャパシターは全てプロセッサシリコン側に配置されている。
図3はA20 Proパッケージ内の全シリコンを取り外し分離した様子である。A20 Proのパッケージ内には、全部で14個のシリコンが収まっている。メモリシリコンは2GBのLPDDR5Xが6個、合計12GBの容量だ。SoCシリコンは2nm製造が1個、シリコンキャパシターは4種(大きいものほど容量が大きく効果も大きい)で計7個となっている。
シリコン面積の詳細は有償のテカナリエレポートで確認して欲しいが、SoCシリコンの面積を1.00とすると、メモリの総面積は3.08、シリコンキャパシターは0.09。SoC面積の約10%相当がキャパシター面積という、大きな数字となっている。年々シリコンキャパシターの面積比率が高まっているので、過去10年の面積比率変動を現在まとめているところだ(QualcommやGoogle「Tensor Gシリーズ」なども含めて)。A20 Proは極めて鮮明な配線層剥離写真の撮影も終わっている(一部はX:旧Twitterの@techanalye1に掲載)
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