2012年のDRAM業界、苦境乗り越えプラス成長の見込み:ビジネスニュース 業界動向(2/2 ページ)
タイの洪水による需要の低下、いまだに止まらない価格の低下など、数々の苦難に見舞われ続けているDRAM業界だが、ここへきてようやく明るい兆しが見えてきたようだ。
2011年のタイ大洪水も、DRAMメーカーに苦難をもたらした。洪水によりHDDの製造工場が閉鎖され、HDDが供給不足に陥ったことで、DRAMの主要な用途であるPCの出荷量が減少したのだ。
Howard氏によると、IHS iSuppliは現在、「DRAM業界は低迷を抜けて改善に向かいつつあると楽観視している」という。世界経済の環境に大幅な悪化がみられないことが、PCおよびDRAM需要の強化を後押しするとみている。
超薄型ノートPCやスマートフォン、タブレット端末の普及に伴い、DRAMの売上高も今後数年間にわたり好調に推移するとみられる。
Intelが提唱する「Ultrabook」やAppleの「MacBook Air」といった超薄型ノートPC市場は、DRAM業界に新たな、かつ大きな商機をもたらすことになるだろう。2016年には、出荷されるノートPCのうち大多数が超薄型になると予測されている。
各PCメーカーは、特にハイエンドのUltrabookでLPDDR3 DRAMを採用できるだけの十分な利益を見込んでいる。IHS iSuppliによると、こうした点も、DRAM業界全体の売り上げを押し上げる要因となるという。LPDDR3は、2014年にはDRAM市場全体の19%を占めるようになる見込みだ。
スマートフォンに搭載されたDRAM容量の平均値は、2010年には2.3Gビット、2011年には3.5Gビットだったが、2012年には5.1Gビットに上昇する見込みだという。また、タブレット端末向けDRAMの展望も明るい。タブレット端末に搭載されたDRAM容量の平均値は、2010年には2.5Gビット、2011年には4.5Gビットだったが、2012年は8Gビットに達すると予測されている。
【翻訳:青山麻由子、田中留美、編集:EE Times Japan】
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