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ダイソンの新型掃除機はサイクロンを25%増強、リチウムイオン電池に新材料もビジネスニュース 企業動向

「吸引力の変わらない」とうたう掃除機のダイソンが新製品を発表した。サイクロン方式の床移動型は、渦巻き状の空気流を起こす機構を改良し、遠心力を約25%高めてゴミの吸引力を向上させた。ハンディ型は、リチウムイオン二次電池の材料を改良してエネルギー密度を高め、駆動時間を20分に延ばした。

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 英国の家電メーカーDysonの日本法人であるダイソンは2012年9月11日、キャニスター(床移動)型掃除機の新製品「DC46」を発表した。従来機と同様に、サイクロン(渦巻き状の空気流)を発生させ、その遠心力によって集じんする方式を採る。サイクロンを発生させる機構を改良し、吸引力を高めたことが特長だ。具体的には、サイクロンを起こす逆円すい形状の部品の口径を従来機に比べて縮小するとともに、その個数を12本から32本に増やした。これにより、サイクロンの遠心力を従来機の29万gから36万gと約25%高めたという(gは重力加速度)。

ダイソン氏が発表
東京都内の会場で2012年9月11日に開催した発表会では、Dysonの創業者でチーフエンジニアを務めるジェームズ・ダイソン(James Dyson)氏が自ら新製品を発表した。新型機は「0.5μmの微細なホコリも空気から分離できる」という。(クリックで画像を拡大)

 2012年9月27日から全国の家電量販店などで販売する。なお、同社のオンラインストアでは9月11日に先行販売を開始した。参考価格は吸い込み口の部分(ヘッド部)に内蔵したモーターでブラシを回転させるタイプ「モーターヘッド」が9万2800円、ヘッド部にモーターを搭載しない「タービンヘッド」が8万7800円である(いずれも税込み価格)。

左の写真が新型機の外観。手前にあるピンク色の機種は、吸い込み口の部分(ヘッド部)に内蔵したモーターでブラシを回転させるタイプ「モーターヘッド」、奥にある水色の機種はヘッド部にモーターを搭載しない「タービンヘッド」である。右の写真は新型機のカットモデル。(クリックで画像を拡大)

 さらにダイソンは、コードレスのハンディ型掃除機の新製品「Dyson Digital SlimMk2 DC45 motorhead(ダイソンデジタルスリムマークツーDC45モーターヘッド)」も発表した。付属のリチウムイオン電池パックで20分の駆動時間を確保したことが特長である。

 正極材料にニッケルマンガンコバルトの三元系材料を使うエネルギー密度の高いリチウムイオン二次電池を採用することで、従来機に比べて駆動時間を延ばしたという。従来機はヘッド部に回転ブラシ用のモーターを内蔵するタイプで13分、内蔵しないタイプで15分だった。さらに新型機は、この電池の改良によってヘッド部のモーターの出力も2倍に高まっており、集じん性が向上しているという。本体重量は2.3kg。参考価格は5万9800円(税込み)である。

ハンディ機を掲げるダイソン氏
ハンディ機の新製品「DC45」を掲げるダイソン氏。(クリックで画像を拡大)

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ジェームズ ダイソン氏から日本のモノづくりへのメッセージ 〜イノベーションはどこから生まれるのか〜

サイクロン方式の掃除機や羽根のない扇風機など、成熟市場の白モノ家電にイノベーションを巻き起こしたダイソン。「ITmedia Virtual EXPO 2012」では、創業者・ジェームズ ダイソン氏へのインタビューを実施。「日本企業にいま足りないものは何か?」「“イノベーション”を刺激するために日本企業ができることは?」など、日本の製造業のあり方を見つけるヒントが満載された“モノづくり技術者必見”の内容となっています。

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