Qualcomm、株式時価総額でIntelを上回る:ビジネスニュース
Qualcommが、世界最大の半導体売上高を誇るIntelを株式時価総額で上回った。売上高で見ると、Qualcommは2012年の時点で世界第4位。その株価は61.83米ドルで、時価総額は1050億米ドルに達している。一方、売上高第1位のIntelは、株価が20.96米ドル、時価総額が1040億米ドルとなっている。
Qualcommが、世界最大の半導体売上高を誇る米Intelを株式時価総額で上回った。Qualcommがモバイル機器向けアプリケーションプロセッサの大手サプライヤであること、またファブレス企業ならではの特質を備えることなどが、その要因だとみられる。
米国の市場調査会社IC Insightsによると、2012年におけるQualcommの半導体製品の売上高は、前年比30%増となる約128億米ドル(約1兆円)に達する見込みだという。これにより、同社は半導体売上高の世界ランキングで前年から順位を3つ上げて、第4位の座を獲得するとみられる。
Intelは、このランキングで依然として第1位の座を維持している。しかし、同社のその地位は、PC市場で確立した優位性によるところが大きい。現在では、消費者の嗜好(しこう)がPCからスマートフォンやタブレット端末へと移行していることから、PCの市場は今後、良くても現状維持のレベルにとどまるとみられている。
それに対し、Qualcommの主力製品には、スマートフォン/タブレットPC向けのプロセッサ「Snapdragon」がある。実際、この製品は多くのスマートフォンやタブレット端末に採用されている。
また、Qualcommはファブレス企業であるため、プロセス技術の開発やウエハー処理工場の建設などに向けて毎年数十億米ドル規模の投資を行う必要がない。こうした点が投資家によって評価され、時価総額を押し上げることになったようだ。Qualcommの株価は61.83米ドル(約4914円)となり、時価総額は1050億米ドル(約8.35兆円)に達した。一方、Intelの株価は20.96米ドル(約1666円)、時価総額は1040億米ドル(約8.27兆円)である。
IC Insightsによると、TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company)は時価総額が約840億米ドル(約6.68兆円)、Texas Instruments(TI)は約330億米ドル(約2.62兆円)、Micron Technologyは57億5000万米ドル(約4570億円)、STMicroelectronicsは49億米ドル(約3894億円)だという。ちなみに、STMicroelectronicsの時価総額は、ARMの持株会社でプロセッサIP(Intellectual Property)のライセンス供与などを手掛けるARM Holdingsの時価総額の約半分に相当する。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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