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Qualcomm、自社ファブを構える可能性を否定せずビジネスニュース 企業動向

Qualcommが“ファブレス”企業ではなくなる日がくるかもしれない。現在、同社は、28nmプロセスのプロセッサ「Snapdragon」の製造をTSMCに委託している。だが、供給不足が続いていることから、QualcommのCEOは、「場合によっては自社ファブを構えるという選択肢もあり得る」と語っている。

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 Bloombergの報道によると、世界最大のファブレス半導体企業であるQualcommのCEO(最高経営責任者)を務めるPaul Jacobs氏は、同社がウエハーファブを所有する可能性を示唆したという。また同氏は、半導体の供給を確実にするために多額の資金を投入する用意があるとも語っている。

 QualcommのファウンドリパートナーはTSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company)だ。だがTSMCは、Qualcommのモバイル機器向けプロセッサ「Snapdragon」の28nmプロセス版を十分に提供できない状況にある。TSMCによる半導体の供給不足は、Qualcommの2012年第2および第3四半期の収益に影を落とすことになりそうだ。

 Bloombergは、Jacobs氏が「当社は、半導体を確保するための方法を模索しており、多額の契約金を支払って、TSMCとは別の半導体サプライヤに発注することも検討している」と語ったと伝えている。同氏はまた、「当社は、自社でウエハーファブを構えるのではなく、ファブレス半導体企業として存続することを希望している。ただし、製造手段を有するメリットがあるのであれば、将来的にそうする可能性もゼロではない」とも述べている。

 Jacobs氏は、「自社ファブを持つことは、当社にとって最優先事項ではないが、この選択肢を完全に否定するつもりはない」と語ったという。

 Qualcommは、2012年4月にTSMCの半導体が供給不足となることが明らかになった際、「発注先を他のファウンドリ企業に変えることも検討している」と述べていた。最近になって、Jacobs氏がSamsung Electronicsを訪れ、半導体製造を依頼できるかどうかを話し合ったという報道もある。さらに、Intelも製造依頼先の候補に挙がっているようだ。だが、IntelとSamsungは両社とも、スマートフォン/タブレット端末向けプロセッサの供給においてQualcommと競合関係にある。この事実は、両社がQualcommのサプライヤになるにはマイナスに作用すると考えられる。

 Jacobs氏は、「28nmプロセス製品の供給状況は改善されつつある。しかし、当社の顧客企業数社は、スマートフォンの発売を延期しなければならない可能性もある」と述べた。

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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