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パナソニックの救世主は何か(前編)フォトギャラリー(4/4 ページ)

社長交代から1年。新しいトップの下、再建に取り組むパナソニックは、より幅広い事業を展開する方向にかじを切っている。対象は、太陽光発電から自動車、航空電子機器、ネットワークコンテンツまでさまざまだ。パナソニックの救世主となる事業は、どれなのだろうか。

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効率24.7%を達成したHIT太陽電池

 太陽電池パネル市場では現在、過剰な生産によって価格が激しく下落し、経営破綻に陥ったメーカーもある。Suntech PowerやRobert Boschなどは、かつて多額の資金を投じて太陽電池市場に参入したが、経営危機に陥り、同市場を撤退する結果となった。ところがパナソニックは、このような状況の中でも、同社の太陽電池事業について、「利益を見込める」との展望を明らかにしている。

 これは、一体どういうことだろうか?

 パナソニックはその秘訣を、「付加価値の高い製品に注力することだ」としている。さらに、このような高付加価値の太陽電池製品の販売ターゲットを、日本国内の一般住宅向けに絞るという。幸いにも近年、日本国内の住宅所有者による需要が高まっているところだ。

 経済産業省が最近発表した統計によると、日本国内における太陽光発電のエネルギー量は、既に設置済みの装置による4800MW(メガワット)に加え、2012年4月1日〜12月31日までの9カ月間で1119MW増加したという。これにより日本は、2012年の太陽電池パネル市場において、世界トップ3に入る規模となった。

 パナソニックは、太陽電池パネル開発市場において優れた実績を持っている。同社は、HIT(Heterojunction with Intrinsic Thin-layer)太陽電池で、24.7%の変換効率を達成した(関連記事:結晶シリコン系太陽電池で「世界最高」、効率24.7%をパナソニックが達成)。

 同社は、「まだ試作品の段階ではあるが、このような高い変換効率を達成できたことで、競合製品よりも少ないパネル数で多くのエネルギーを生み出せる太陽電池を実現可能だと確信している」とコメントしている。

 パナソニックは、24.7%を達成したHIT太陽電池の量産に全力を尽くす。また、マレーシアで太陽電池の製造を開始している同社は、製造コストを20%低減できる見通しだという。


後編へ続く

【翻訳:青山麻由子、滝本麻貴、田中留美、編集:EE Times Japan】

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