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Qualcomm、ワイヤレス給電市場への参入を加速無線通信技術

2012年5月に、Samsung Electronicsらとともにワイヤレス給電の業界団体「A4WP」を立ち上げたQualcomm。ワイヤレス給電技術を手掛けるGill Electronicsを買収し、同市場でのシェア拡大を加速させる構えだ。

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 Qualcommは、ワイヤレス給電技術の開発強化に向け、ワイヤレス給電技術を手掛けるGill Electronicsとライセンス契約を結んだことを明らかにした。契約額は明らかにしていない。QualcommとGill Electronicsは、ワイヤレス給電の標準化団体「Alliance for Wireless Power(A4WP)」の規格に準拠した、車載機器やオフィス機器向けのワイヤレス給電製品を2014年に発表するとしている。

 A4WPは、QualcommとSamsung Electronicsが中心となって2012年5月に立ち上げた団体である(関連記事:QualcommとSamsungら、ワイヤレス給電の標準化団体を設立)。Qualcommの磁界共鳴方式のワイヤレス給電技術である「WiPower」をベースにしている。WiPowerは、1つの送電ポイントから複数のモバイル機器に同時に給電できる。それぞれの機器に必要な電力が違う場合でも、給電は可能だ。最大22Wの電力を送電でき、充電エリアに接触していなくても給電できる。

 ワイヤレス給電市場で先行しているのは、「Wireless Power Consortium(WPC)」だろう。WPCが提唱する「Qi(チー)」規格に準拠した製品は、既に850万個も出荷されているという。その中には例えば、Texas Instrumentsが2012年11月に発表したワイヤレスパワーレシーバ「bq51050B」とトランスミッタIC「bq500410A」を搭載した製品がある。また、Intelは、独自の無線充電技術である「Wireless Resonant Energy Link(WREL)」を発表し、2013年末にも製品を投入するとしている。

 Gill Electronicsの先端開発部門でディレクタを務めるBrad Miller氏は、「A4WPは、6.78MHzの周波数帯を使用する。電磁誘導方式を採用するWPCに対応した製品のように発熱するリスクを避けられる*1)。A4WPは、モバイル製品に組み込まれているBluetoothを利用して、チャージャとモバイル機器間のコントロールチャネルを構築する」と説明している。

*1)充電パッドの上に誤って金属物が置かれた場合、発熱する可能性がある。

 「さらに、A4WPは、WPCで必要となる誘導コイルではなく、コイルよりも小さいアンテナを使用する。このため、機器を小型化できる。NFC(Near Field Communication)のような他の無線から干渉を受けることもない」(同氏)。

 Miller氏は、「2013年末に製品を発表し、2014年にはマスマーケットでの採用を狙う。A4WPに参加している他の企業も、A4WP技術を搭載した民生機器を2014年に投入する予定だ」と語っている。

 こうした製品には、車のダッシュボードやアームレストに取り付けるカーアクセサリも含まれる。Gill Electronicsは、オフィス機器でもデザインウィンを獲得したい考えだ。

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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