意外!? iPhone 5cは中国で売れず:ビジネスニュース オピニオン
アップルは、廉価版の「iPhone 5c」で中国の消費者の心をつかもうとしていたはずだ。だが、いざiPhoneが発売されると、中国では「iPhone 5s」の方が圧倒的に売れている。
2013年9月20日に「iPhone 5s」「iPhone 5c」が発売されたが、世界での売れ行きはiPhone 5sの方が圧倒的に良いようだ。iPhone 5cが売れるとみられていた中国でさえもだ(関連記事:アップルは「iPhone 5c」で中国市場を掌握できるのか)。
もちろん、iPhone 5cの「c」がChina(中国)の「c」を指すとは思っていない。だがAppleとしては、廉価版のiPhone 5cを中国に浸透させることを狙っていたはずだ。しかしフタを開けてみれば、中国の消費者はiPhone 5cよりもiPhone 5sを好んでいる。著者は以前にも「中国の消費者は、安いモノを選ぶだろう」という偏見は捨てるように提言したことがあるが、今回それが証明されたようである。
市場調査会社であるLocalyticsは、iPhone 5sとiPhone 5cの販売台数の割合を、国別に調査した結果を発表した。
同社のマーケティング部門でバイスプレジデントを務めるBerned Leger氏は、ブログの中で次のように述べている。「最新iPhoneの発売後3日もたたないうちに、米国の主要4キャリア*)で使われているiPhoneの1.36%が、iPhone 5sとiPhone 5cになった。ただし、その1.36%の内訳はiPhone 5cがわずか0.31%である。残りの1.05%はiPhone 5sだ。最新のiPhoneをすぐに入手したユーザーは、明らかにハイエンド機種を好んでいることが分かる」。
*)米国の主要4キャリア:AT&T、Verizon Wireless、Sprint、T-Mobile
中国の技術関連サイト「tech.sina.com」によれば、中国で販売された最新iPhoneのうち91%がiPhone 5sだという。
その中国とは対照的なのが英国だ。英国では、販売された最新iPhoneの約1/3がiPhone 5cである。
もちろん、上記のデータはあくまでも発売後たった3日間の統計である。iPhone 5s/iPhone 5cの“売れ方”について結論を出すのはまだ早すぎるが、巨大な中国市場において今後iPhoneがどの程度シェアを獲得できるのか、追っていくのはとても興味深い。
tech.sina.comは、中国でiPhone 5sがiPhone 5cよりも売れている理由について「iPhone 5sには金色のカラーバリエーションがあるからだろう。金色は、アジア市場では非常に魅力的だ」と推測しているが、本当だろうか(クリックで拡大)
【翻訳、編集:EE Times Japan】
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