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ノキアが6インチスマホを発表、携帯事業の売却決定前に開発した最後の製品ビジネスニュース

ノキアは「Nokia World 2013」で、同社初のタブレット端末と、6インチの大画面スマートフォン、いわゆるファブレットを発表した。同社の携帯端末事業は、マイクロソフトに売却されることが決まっている。今回発表した端末は、ノキアが売却を決定する前に開発した最後の製品群になるという。

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 Nokiaはスマートフォンの新機種を発表した。だが、今回同社が発表したのは、小さい画面のスマートフォンではない。大画面スマートフォン、いわゆるファブレットだ。

 同社は2013年10月22日、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビで開催された年次カンファレンス「Nokia World 2013」で、同社初となるタブレット端末で10インチディスプレイを搭載する「Lumia 2520」と、2機種の6インチファブレット「Lumia 1520」「Lumia 1320」を発表した。

 Nokiaは2013年9月に、携帯端末事業をMicrosoftに売却することを決めた。今回発表された携帯端末は、AppleやSamsung Electronicsに立ち向かうべく、売却決定前にNokiaが開発した、最後の製品群になるという。

 6インチの大型ディスプレイを搭載するファブレット2機種は、Microsoftの携帯端末用OS「Windows Phone」を搭載し、画面に「ライブタイル」を追加できる。高性能カメラ技術と鮮やかな色彩をさらに強化し、競合各社の新製品との差別化を図ったという。


6インチのHDディスプレイを搭載したファブレット「Lumia 1520」(クリックで拡大)

 「米国スマートフォン市場でのシェア拡大に奮闘するNokiaにとって、今回のファブレット投入は起死回生の一手とはならない」という意見もある。

 おそらく、この意見は正しいだろう。

境界線の曖昧化

 だが、タブレットとファブレット、スマートフォン間の境界線が曖昧になりつつある今、ファブレットを投入したことはNokiaにとって大きな意味があると、筆者は考えている。

 大型ディスプレイを搭載したスマートフォンという概念が米国の消費者に浸透するには、もう少し時間がかかるかもしれない。その一方で、アジアではファブレットは既に大流行している。

 米国の市場調査会社であるIDC(International Data Corporation)は2013年8月下旬に、アジア/太平洋地域の携帯電話機市場に関する四半期リポートを発表した。

 それによると、「2013年第2四半期のアジア/太平洋地域(日本を除く)では、ファブレットと呼ばれる5〜7インチディスプレイのスマートフォンの出荷台数が、ノートPCやタブレット端末を上回った」という。

 IDCは、「機器メーカーが2013年第2四半期に出荷したファブレットは、2520万台に上る。一方、タブレット端末は1260万台、ノートPCは1270万台だった。ファブレットの出荷台数は前期比で約2倍、前年同期比で約7倍と大幅な成長を遂げた」と発表している。

 筆者は1年半前に中国を訪れた時、Samsungの「GALAXY Note」を使っている経営陣が多いことに驚いた。

 それ以降、中国やインドではファブレットの普及がさらに進んでいる。これらの地域で発売されているファブレットは、Samsungのような有名メーカーの製品だけではない。むしろ、低価格のファブレットを提供する中国のローカルメーカーの勢いが強い。

 Appleも2013年10月22日に、タブレット端末の最新モデル「iPad Air」「iPad mini Retinaディスプレイモデル」を発表したばかりだ。消費者にとって、スマートフォン、ファブレット、タブレット端末の選択肢は確実に増えている。ただし、市場のカニバリズム(共食い)が起こるのは問題だ。モバイル機器市場からは、当分目が離せそうにない。


カバーを付けたLumia 1520(クリックで拡大)

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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