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サムスン電機とマイクロソフト、WPCの理事会メンバーにビジネスニュース 業界動向

Samsung Electro-Mechanics(サムスン電機)とマイクロソフトが、ワイヤレス給電の「Qi(チー)」規格を策定する業界団体「Wireless Power Consortium(WPC)」の理事会メンバーになると発表した。市場に大きな影響を持つ両社がWPCに参加することで、ワイヤレス給電技術を採用した製品の開発がさらに進展するとWPCは期待している。

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 Samsung Electro-Mechanics(サムスン電機)とMicrosoftが、ワイヤレス給電規格「Qi(チー)」を提唱する業界団体「Wireless Power Consortium(WPC)」の理事会メンバーの一員になることを明らかにした。これにより、両社は今後、電磁誘導方式を用いたQi規格に準拠したスマートフォンや充電器を提供していくとみられる。現在、Qi規格を採用している機器の数は、約100万台に達するという。

堅調に伸びるワイヤレス給電市場

 アナリストの予測によると、ワイヤレス給電システムの出荷数は今後急増し、2018年には、ワイヤレスパワートランスミッタ/レシーバの売上高が7億8500万米ドルに達する見込みだという(関連記事:ワイヤレス給電の市場規模、5年後は40倍に)。その頃までには、電磁誘導方式よりも磁気共鳴方式が主流になるという見方もある。磁気共鳴方式の方が、より柔軟性の高いシステムを提供することができるが、現在はまだ、WPCをはじめとするさまざまな団体によって開発中の段階にある。

 Samsung Electro-Mechanicsでシニアマネジャーを務めるYunho Lee氏は、EE Timesの取材に対して、「WPCは、Verizonのサポートもあって、拡大の一途をたどっている。当社は、WPCが将来的に、極めて重要な製品を実現できるようになると確信している。このため、早い段階からWPCの取り組みに携わっていきたいと考えた。WPCが保有するあらゆる情報にアクセスしたり、技術開発への貢献に寄与することができるのは、理事会メンバーのみに限られている」と述べている。

 Lee氏が担当する事業部門は最近、Samsung Electronics(サムスン電子)のスマートフォン「GALAXY S4」に向けたワイヤレス給電部品を発表している他、WPCと共同で、ウェアラブル機器やタブレット端末向け製品の開発も進めているという。同氏は、「タブレット端末向けの15W規格とウェアラブル機器向けの1W規格が、近々リリースされるのを待ち望んでいる」と述べている。

 現在、約24社の理事会メンバーがWPCの運営や研究開発の推進に携わっているが、今回ここにSamsung Electro-MechanicsとMicrosoftが加わることになる。WPCで市場開発担当バイスプレジデントを務めるJohn Perzow氏は、EE Timesのインタビューに応じ、「理事会メンバーはこれまで、規格の策定や、試験の実施、テストハウスの認証などを手掛けてきた。メンバーは、最新情報を一番に入手したり、データを提供したりすることも可能だ」と述べている。


画像はイメージです

 Perzow氏は発表資料の中で、「Qi規格をデバイスや自動車などのさまざまな製品に搭載したり、幅広い地域での普及に向けて推進していく上で、MicrosoftとSamsung Electro-Mechanicsは非常に重要なプレーヤーとなるだろう。市場に対して大きな影響力を持つ両社が、Qi規格をサポートすることにより、ワイヤレス給電技術を採用した製品の開発がさらに進展すると期待できる」と述べている。

 また、「Samsung Electro-Mechanicsは、アクセサリなどを手掛けるメーカーとしての立場から、さまざまな種類の携帯電話機に精通している。同社のこうした特長は、多彩なフォームファクタに向けたワイヤレス給電技術を開発していく上で強みとなるだろう。同社は、ワイヤレス充電用ケースを手掛けているだけでなく、自動車業界やNFC(Near Field Communication)などの分野についても熟知している」と述べる。

 一方Microsoftは、今回の件についてコメントを控えている。しかしPerzow氏は、「Microsoftは、Nokiaの携帯事業の買収を完了させたところだ。今後、WPCにおけるNokiaの既存の位置付けを引き継ぎ高めていくだろう」と展望を語った。

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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