バスが丸ごと“Wi-Fi基地局”に、ドコモが5G技術をアップデート:WTP2014 / ワイヤレスジャパン2014
NTTドコモは「ワイヤレス・テクノロジー・パーク2014」(WTP2014)で、「ムービングノード」と呼ばれる大型アンテナを用いた第5世代(5G)の通信技術を紹介した。バスや電車などの移動体にこのアンテナを設置し、そこをWi-Fi基地局のように使うという仕組みである。
NTTドコモは「ワイヤレス・テクノロジー・パーク2014」(WTP2014、2014年5月28〜30日)で、第5世代(5G)の通信技術として、「無線バックホールにおけるMassive MIMO」を展示した。Massive MIMOは、基地局に100以上のアンテナを設置し、多数のユーザーと同時接続する技術である。ただし、同技術を導入するには端末側のアンテナスペースが限られている(アンテナ素子を増やせない)ことが課題になる。
そこでNTTドコモは、「ムービングセル」と呼ばれる大型アンテナを用いてMassive MIMOを導入する方法を提案した。ムービングセルをバスや電車などの移動体に設置するというものだ。ムービングセルは基地局からの電波を受信し、それを車内に発信する。これによってシステムスループットを増やすという。ムービングセルは、基地局から見れば“端末”となり、バスや電車の乗客から見れば“基地局”となるイメージだ。ムービングノードと端末は、LTEやWi-Fiで接続することを想定している。
NTTドコモの担当者は「バスや電車はそもそも電波が入りにくく、入っても減衰しやすい場所だ。ムービングノードを設置すれば、こうした状況を解消できる。さらに、端末側から見れば“基地局”との距離が近くなるので、端末の消費電力を抑えることにもつながるかもしれない」と述べている。
NTTドコモは、「CEATEC JAPAN 2013」(2013年10月1〜5日)でも、5Gの技術を紹介している。その際は、
- 高周波数帯/広帯域幅の有効活用
- ネットワークの高密度化
- 周波数利用効率の向上
が鍵になるとして、これらの要素を用いたシミュレーションを行った。その結果、5Gでは通信容量がLTEに比べて1400倍になるとしている(関連記事:ドコモが目指す“5G”の世界、通信容量はLTEの1400倍に?)。
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