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「SSDが壊れた」後(前編)福田昭のストレージ通信(7)(2/2 ページ)

過去3回では、SSDが「壊れるまで」を説明してきた。SSDについては、「いつ壊れるか」という認識を持つべきだという主張もある。今回からは「壊れた後」に焦点を当て、まずは壊れる原因をまとめていく。

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99%以上のユーザーがストレージの「悲劇」を経験

 データ復旧サービス企業は元々、ハードディスク装置(HDD)のデータ復旧サービスを本業としてきた。フラッシュストレージの普及により、HDDに加えてSSDやUSBメモリ、スマートフォン、メディアタブレットなどをサービス対象に含めるようになった。SDカードやメモリースティックなどのNANDフラッシュカードも、データ復旧の対象となっている。

 これだけストレージが普及すると、「データ消失の悲劇」を経験しないユーザーが珍しく、大半のユーザーは「悲劇」を経験したことがある、と予想できる。そして実際、その通りなのである。Knoll Ontrackが2011年に公表した調査データによると、HDDやSSD、フラッシュメモリなどでデータ消失を経験したユーザーの割合は99%を超える。もしあなたがデータ消失を経験していないのだとしたら、100人に1人の幸運に恵まれていると言える。


ストレージのデータ消失を経験したユーザーの割合とその回数。データには光ディスクや磁気テープなどを含んでいる。なおデータが消失したデバイスの内訳は、95%がHDD、42%がリムーバブルフラッシュ(デジタルカメラ、スマートフォン、USBメモリ)、31%がテープや光ディスクなど、15%がSSD(エンタープライズ品、クライアント品、タブレット、音楽プレーヤーなど)である(クリックで拡大) 出典:Kroll Ontrack(2011年7月)

 当然ながら、「データ消失の悲劇」を経験する回数は1回で済むとは限らない。公表されたデータによると、2回以上の悲劇を経験したユーザーは59%、3回以上の悲劇を経験したユーザーは30%に達する。筆者は幸いにして、データ消失の経験回数は1回(それもSSDだけ)で済んでいるが、それでも相当な精神的ダメージを受けた。これを3回も経験したら、ストレージに対して強い不信感を持ってしまうだろう。

(後編に続く)

筆者紹介

福田 昭(ふくだ あきら)

フリーランスのテクノロジージャーナリスト/アナリスト。



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