DDR4対応の不揮発性メモリモジュール、AgigA Techがサンプル出荷開始:メモリ/ストレージ技術 NAND型フラッシュメモリ
サイプレス セミコンダクタの子会社であるAgigA Techは、DRAMとNAND型フラッシュメモリの技術を組み合わせた不揮発性メモリモジュール「AGIGARAM DDR4 NVDIMM」を開発し、主要OEMや開発パートナーにサンプル品の出荷を始めた。
サイプレス セミコンダクタの子会社であるAgigA Techは2014年8月、DRAMとNAND型フラッシュメモリの技術を組み合わせた不揮発性メモリモジュール「AGIGARAM DDR4 NVDIMM」を開発し、主要OEMや開発パートナーにサンプル品の出荷を始めた。次世代の標準DIMMソケットやインテルベースのサーバ技術基盤向けに設計されており、エンタープライズ用のストレージやサーバといった用途に向ける。
AGIGARAMは、フラッシュメモリの特長である不揮発性に加えて、DRAMが有する低レイテンシーと耐久性を兼ね備えた製品である。システム側は実装されたAGIGARAMを、JEDEC 288端子レジスタードECC DIMMと認識して動作するという。システムの電源が停電するなど不具合が生じたりすると、DRAM上にあるデータを、一時的にAGIGARAM内に退避させる。システムの電源が復旧すると、AGIGARAMに退避させたデータをDRAMに復元させ、演算処理を継続して実行することができる。同社は、「DDR4に対応したNVDIMMのサンプル出荷は業界で初めて」と主張する。
特に、AGIGARAMはインテルベースのサーバ技術基盤のDIMMスロットに、容易に統合できるよう設計されており、書き込みキャッシングやメタデータストレージなどの機能が最適化されているという。
なお、DDR4はデータレートが2400Mビット/秒と高速で、DDR3に比べて性能は最低50%向上、動作電圧は20%低減することができる。さらに総消費電力を最大40%も削減することが可能である。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- サイプレス、水やノイズに強くて開発も簡単な静電容量ボタン制御ICを発表
サイプレス セミコンダクタは、防水機能など多機能な静電容量ボタンを容易に開発できるコントローラIC「CapSenseコントローラ/CY8CMBR3xファミリ」を発表した。耐水機能や近接センサー機能といった付加機能搭載時もファームウェア開発の必要がないなどの特長を備える。 - サイプレス、PSoCの次期主力製品の量産を開始
サイプレスは、プログラマブルSoC「PSoC」のボリュームゾーン向け新製品「PSoC 4」の量産を開始したと発表した。CPUコアに「ARM Cortex-M0」を搭載した製品であり「今後のPSoCの主力を担う基幹製品」と位置付け、8ビット/16ビットクラスのマイコンに対抗した拡販活動などを展開していく。 - Cypressの日本法人社長が交代、元ルネサスSoC事業本部長の山田和美氏
アナログとデジタルの周辺機能をユーザーが手元でカスタマイズできるフラッシュマイコン「PSoC」の他、タッチパネルコントローラや高速SRAMなどを手掛けるCypress。その日本法人の新社長に就任するのは、ルネサス エレクトロニクスで執行役員・SoC事業本部長を務めた人物だ。