「iPad Air 2」を分解:製品解剖 iFixitがWebで公開
販売が開始されたAppleの新型タブレット端末「iPad Air 2」。モバイル機器の修理マニュアルなどを提供するiFixitが、iPad Air 2を分解し、その様子を公開した。搭載部品を中心にその中身を見てみよう。
搭載部品は?
2014年10月16日(米国時間)に発表され、順次発売が開始されたAppleの新型タブレット端末「iPad Air 2」。厚さは、前世代の「iPad Air」よりも0.6mmほどさらに薄くなり、わずか6.1mmだ。プロセッサには、同年9月に発売された「iPhone 6/iPhone 6 Plus」に搭載される「A8」をさらに強化したとみられる「A8X」を搭載し、前世代のiPad Airが搭載した「A7」よりも処理で40%、グラフィックスで2.5倍、高速化しているという。
発売まもないiPad Air 2だが、モバイル機器の修理マニュアルを提供する米国のiFixitが分解を行い、その様子を公開した。ここでは、搭載部品を中心に紹介する。
ディスプレイは2048×1536画素の解像度を持つ9.7型のIPSマルチタッチ液晶ディスプレイ(264ppi)を採用した。電池容量は、27.62Whで、前世代のiPad Airの32.9Whよりも小さくなっている。
DRAMは2チップ構成
では、メインボードを見てみよう。
写真中央の赤い部分が3コア構成とうわさされる64ビットプロセッサのA8Xだ。A8Xの両脇(オレンジの部分)には、Micron Technology/エルピーダメモリの8Gビット(=1Gバイト)容量のDRAM「F8164A3MD」が2枚実装されていて、RAMの総容量は2Gバイトとなっている。
紫色の部分は、モーション・コプロセッサ「M8」に相当するNXP Semiconductors(以下、NXP)のARM Cortex-M3コアを搭載したマイコン「LPC18B1UK」で、iPhone 6/iPhone 6 Plusと同じだ。NFCコントローラICとしてもiPhone 6/iPhone 6 Plusと同じNXP製の「65V10」を搭載するなど、共通点が多くみられる。
メインボードに搭載される主な部品は次の通り。
- 赤:64ビットプロセッサ「A8X」(APL1012の刻印)
- オレンジ(2箇所):Elpida/Micron Technology 「F8164A3MD」。1個当たりの容量は8Gビット。
- 黄:SK Hynixの128Gビット容量 NAND型フラッシュメモリ「H2JTDG8UD1BMR」
- 緑:NFCコントローラIC 「65V10」(NXP Semiconductors製)
- 青:Cirrus Logic製のカスタマイズオーディオコーデックIC「338S1213」
- 紫:モーション・コプロセッサ「M8」に相当する「LPC18B1UK」(NXP Semiconductors製)
- 黒:村田製作所のWi-Fiモジュール「339S02541」
- Maxim Integratedのブースドクラスアンプ「MAX98721BEWV」
- Broadcom デジタイザ・コントローラ「BCM5976」
- Texas Instruments「TI48WHXDP 343S0583」
- Fairchild Semiconductor「FDMC 6683」および「FDMC 6676BZ」
メインボード以外にも以下のデバイスなどが搭載されている。
- NXP Semiconductors「8416A1」(タッチIDセンサー)
- Parade Technologies「DP675」(液晶ドライバーIC)
- Texas Instruments「TPS65143A」
修理は「やりにくい」
なお、iFixitは、「統合されたフロントパネルは、画面割れを修理するコストを増大させ、開いた時に液晶を損傷するリスクも高い」などとしていて、修理のしやすさを10段階中2と評価している(10が最も修理しやすい)。
iPad Air 2の分解の詳細は、iFixitのWebサイトに掲載されている。
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