日本で280MHz帯を使用したセンサーネットワークの実証実験開始へ:無線通信技術
ミライト・テクノロジーと米Sensus(センサス)は2014年12月、日本で280MHz帯を使用した広域無線技術の実証試験を2015年1〜3月から実施すると発表した。
ミライト・テクノロジーと米Sensus(センサス)は2014年12月8日、日本で280MHz帯を使用した広域無線技術の実証試験を2015年1〜3月から実施すると発表した。280MHz帯を使用するセンサーネットワークなどの無線局の無線設備の技術的条件や他のシステムとの共用条件などについて検討するためのデータ取得が目的。
280MHz帯は、ページャの無線局で使用されているが、最盛期と比べて利用する無線局数は減少。総務省が策定する周波数再編アクションプランでも、280MHz帯の5MHz幅程度をセンサーネットワーク用周波数と使用するための検討を行うとされている。Sensusによると280MHz帯無線は「通信距離が長く、1基地局でカバーできる範囲が広い上に、通信の安定性も高いのが特長。世界中で利用され、災害時の復旧能力の高さや、高いセキュリティを持った専用ネットワークインフラとして認められている」とする。
ミライト・テクノロジーとSensusの両社は、総務省の「280MHz帯の周波数を使用するセンサーネットワーク等に関する提案募集」に共同で応募し、同年12月2日に実験試験局の予備免許を取得した。これを受けて両社は、2015年1〜3月から東京都江東区内で、5〜20kmの通信距離を持つSensusの広域無線ソリューション「FlexNet」をベースに実証実験を実施する。
Sensusの日本法人センサスジャパンのカントリー・マネージャーを務める中敏行氏は、「現在、スマートメーターなどで利用されている920MHz帯特定小電力無線局は、利用するデバイス数の増大によるネットワーク干渉や混雑などが将来的な問題として指摘されている。(280MHz帯などの)広域無線は、安定した通信ネットワークとして小電力無線を補完するものとして魅力的な選択肢だ。海外における広域無線ネットワークの導入事例では、スマートメーターなどの端末との初回接続率とデータ取得成功率で99%以上の数値を実現している」と述べている。
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