ボタン大のSoCにスマートジャケット――ウェアラブルに攻勢かけるインテル:2015 CES(2/2 ページ)
ウェアラブル機器に注力するIntel。同社は「2015 International CES」で、ボタンのサイズの超小型モジュール「Curie」をはじめ、3Dカメラセンサー「RealSense」を搭載したスマートジャケットなどを披露した。
周囲の状況をそっと伝える、スマートジャケット
続いて、Krzanich氏は視覚障がい者の補助に用いるスマートジャケットのプロトタイプを紹介した。このジャケットには複数のRealSenseカメラと振動機能が搭載されていて、視覚障がいを持つユーザーに前方から来る人や物体の方向を知らせる。なお、このジャケットにCurieが採用されているかどうかは明らかにされていない。
視覚障がいを持ち、視覚健常者の20%ほどしか見えないというIntelのあるエンジニアは、このジャケットでどのように生活が変わったかについて次のように述べた。「このジャケットは、私の周囲の状況を検知し、わずかな振動でそれらの情報を伝える。これまで見えなかったものを補う役割を果たしてくれている。ジャケットを着ることで、自分が今いる環境について安心感と自信を持てるようになった。こうした気持ちは、もう長い間抱いていなかったものだ」
Krzanich氏によれば、Intelは、ジャケットに使われているハードウェアとソースコードを全ての開発者に開放するという。
アイデアソンやワイヤレス充電試験も
さらにKrzanich氏は、女性やマイノリティーのエンジニアの雇用を強化すべく、3億米ドルを投入することも明らかにした。その他、ウェアラブル機器のアイデアを募る世界規模のコンテスト「MAKE IT WEARABLE(インテル MAKE IT WEARABLEチャレンジ)」を、2014年に続き2015年も実施することを発表している。また、ヒルトンやジャガー・ランドローバー、サンフランシスコ国際空港などと提携し、ワイヤレス充電の試験を進めるという。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
インテル、ウェアラブル機器に本腰
インテルが、ウェアラブル機器やモノのインターネット(IoT)分野を本格的に強化している。2013年11月にIoT専門の事業部を設立。2014年3月には、腕時計型ウェアラブル機器を手掛ける米企業を買収した。次世代「Google Glass」にはIntel x86プロセッサが載る?
次世代版「Google Glass」には、Intelのx86プロセッサが搭載される可能性があるという。もしこれが事実であれば、Intelにとって、ウェアラブル機器市場での存在感を高める大きな足掛かりとなるだろう。Intel、2015年はモバイル事業を加速
Intelはモバイル向けチップ事業に、2015年も注力する。同事業はPC向けチップ事業に統合されたばかりだが、Intelのモバイル分野に対する熱意は変わらないようだ。Intelが中国に15億米ドルを投じる4つの理由
Intelは、中国Tsinghua UniGroupに15億米ドルを投じることを明らかにした。何としても自国の半導体産業を発展させたい中国と、中国でモバイル機器関連のビジネスを拡大したいIntelの思惑が合致したのである。「Quark」の成功を狙うIntel、頼みの綱はArduino?
Intelが2013年9月に発表した、64ビットプロセッサ「Quark」。「Raspberry Pi」など安価なボードコンピュータの登場で、さらなる盛り上がりを見せるDIY(Do It Yourself)市場に、Intelは活路を見いだしたのだろうか。