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ルネサス、車載マイコンで先端プロセスを積極導入――90nmアナログ混載プロセス品を開発中:車載半導体(2/2 ページ)
ルネサス エレクトロニクスは2015年1月、90nmプロセスを用いて耐圧数十Vクラスのアナログ回路を混載した車載用フラッシュマイコンを開発中であることを明らかにした。
28nmプロセス品で16Mバイト以上のフラッシュ容量実現へ
吉岡氏は、高耐圧アナログ回路を混載しない車載用フラッシュマイコンについても、「既にサンプル出荷中の40nmプロセス品の次の世代として、28nmプロセス品の開発に着手している。既に、28nmプロセスでのフラッシュメモリ混載技術を確立し、製品化のメドは付いている」とし、2018年ごろにも28nmプロセス品のサンプル出荷を開始する見込みだ(関連記事:ルネサス、2018年に28nm世代フラッシュマイコンを製品化へ)。
吉岡氏は、「今のところ、われわれ以外に40nmプロセスクラスの車載マイコンをサンプル出荷したという話は聞いたことがない。だが、市場からは40nmプロセス品でさえ対応できないような高い処理性能、大きなメモリ容量への要求を既に聞いている。具体的には、2020年ごろに市販される自動車のレーダー検知システムなどで16Mバイトというような大容量フラッシュの搭載が求められている。ルネサスは、こうした要求に応えられるよう28nmプロセス品を投入する」と語っている。
2015年1月に開催された国際カーエレクトロニクス技術展で行った40nmプロセス採用シャシーシステム向けマイコン「RH850/P1x-Cシリーズ」のデモの様子。レーザーや車載カメラといった、センサー情報を統合的に判断するセンサーフュージョン処理などを行い、自動車のミニチュアで自動走行デモを行った。開発中の28nmプロセス品では、さらに高性能な処理を実現する見通しだ。
【訂正】
本記事の公開当初、「90nmアナログ混載プロセス品を出荷」としておりましたが、「出荷」ではなく「開発中」の誤りでした。お詫びして訂正致します。なお、上記記事は既に訂正済みです。
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