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家電向けのWi-SUN無線機を開発――NICT「世界初」:無線通信技術 Wi-SUN
情報通信研究機構(以下、NICT)は2015年1月30日、Home Area Network(宅内無線ネットワーク/以下、HAN)用Wi-SUN認証規格に準拠した無線機を開発したと発表した。
情報通信研究機構(以下、NICT)は2015年1月30日、Home Area Network(宅内無線ネットワーク/以下、HAN)用Wi-SUN認証規格に準拠した無線機の開発に「世界で初めて成功した」と発表した。
Wi-SUNは、これまでに「Bルート」と呼ばれる「スマートメーターとHEMSコントローラー間」を接続するためのプロファイルが策定され、東京電力をはじめとした複数の電力会社に採用されている(関連記事:「2年後にはスマホにもWi-SUN」――標準化を先導するNICTがWi-SUN普及に自信)。
Wi-SUNの規格策定を行うWi-SUNアライアンスは2015年1月29日に、新たなプロファイルとしてHEMSコントローラーとエアコンや照明などと接続するためのHAN用プロファイルを策定。1対1の通信であるBルート用プロファイルに対し、HAN用プロファイルは1対多数の通信に対応した他、HEMSコントローラーと家電との間に中継器を介した通信などに対応させた点が特長になっている。
NICTでは、このHAN用Wi-SUNプロファイルを実装した無線機を開発し、単一HEMSコントローラーに対する複数家電の接続、HEMSコントローラーと家電間で無線の中継を介する接続において、動作を実証した。
動作実証の様子。HEMSコントローラーは、ノートPCとHEMSコントローラー側無線機によって構成。無線機能付き家電として、無線機能付タップ付きドライヤーと無線機を取り付けたLED照明を用いた。さらに、別の無線機を中継器として適用している。HEMSコントローラーに対して2個の家電が接続され、そのうち、LED照明側の家電については中継器を経由して動作させた。ドライヤー側からは、スマートタップからの消費電力量がHEMSコントローラーに対して定期的に通知され、一方、HEMSコントローラー上の操作により、LED照明が制御される動作実証を行ったとする。 出典:情報通信研究機構
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