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インテルが買収を決めたLantiqとはビジネスニュース M&A(2/2 ページ)

インテル(Intel)は、宅内通信機器(CPE)で強みを持つドイツのLantiqを買収する。スマートゲートウェイ事業を強化することが目的だ。インテルは、モノのインターネット(IoT)市場に注力するという戦略を、着々と実行しているようである。

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ゲートウェイ市場のリーディングカンパニー

 今回の買収に関してはっきりしているのは、IntelがLantiqの幅広いネットワークプロセッサを引き継ぐという点だ。これらは、ネットワーク機器メーカーやサービスプロバイダ向けに高速でフレキシブルなゲートウェイを提供する製品群である。

 Lantiqの最近の製品には、2014年秋に発表されたブロードバンド通信規格である「G-fast」を業界で初めて搭載した、住居用ゲートウェイのリファレンス設計などがある。

 Lantiqのマルチコアネットワークプロセッサユニット「GRX330」はGビットクラスのルーティング性能を有し、CPEの設計開発に柔軟性を大幅に高めることができるという。このリファレンス設計は、IEEE 802.11n規格に準じたオフロードエンジンが組み込まれている他、IEEE 802.11acレベルのスループット、ギガビットイーサネットスイッチとPHY、キャリアグレードVoIP、G-fastモデムのサプライヤであるSckipio TechnologiesのビルトインG-fastチップセットを搭載する。

 さらに、2015年1月に開催された「2015 International CES」では、独自の仮想化技術とシステムセキュリティ機能を備えたホームゲートウェイチップを披露した。

 このように、Lantiqは世界市場で確固たる地位を築いている。同社のDSLソリューションを採用する企業は100社以上に上るという。

 DSL以外にも、Lantiqはさまざまなソリューションを提供している。その一例が、Lantiq独自のプラットフォームと組み合わせた統合LTEモジュールた。このプラットフォームは、CPUの負荷を最小限に抑えながら最大通信速度300Mビット/秒を実現したという。この他にも、長さ200mのツイストペア銅線を介して最大250Mビット/秒のデータレートを実現する、配信ポイントソリューション向けのリバースパワーファイバーなどがある。このリバースパワーファイバーは、業界で初めて商用化された製品だという。

 Intelは、「当社とLantiqの技術力を組み合わせることで、機器メーカーやサービスプロバイダ、ホームアプリケーションの開発企業向けに、包括的で幅広い接続ソリューションやホームクラウド技術を提供できるようになる。IntelのIoTソリューションとセキュリティ製品、クライアントデバイスと共に、刺激的で新しい接続体験を顧客企業に提供していきたい」と述べている。

 Infineonの所有していた事業部門がIntelに売却されるのは、今回で2度目となる。

 1度目は2011年1月に実施されたInfineonの無線ソリューション事業部門の売却で、現在はIntel Mobile Communications(インテル モバイル・コミュニケーションズ)として運営されている。

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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